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お墓・霊園

【専門家監修】納骨堂とは?費用や特徴、選び方とメリット・デメリットを解説

納骨堂は個人、夫婦、家族といった単位で骨壷にいれた遺骨を安置する建物のことです。

以前は改葬(お墓のお引越し)等の理由で一時預かりの場としての役割が主流だった納骨堂ですが、今はお墓の代わりとして選択する人が多くなっています。

本記事では終活カウンセラー上級の渡邊松枝様に監修して頂きました。

【専門家監修】納骨堂とは?費用や特徴、選び方とメリット・デメリットを解説

分骨・違約金の問題からお供え物がどうなるかまで、納骨堂に関する疑問を終活上級カウンセラー渡邊松枝様にお答え頂きました。

納骨堂の特徴

納骨堂は屋内にあるので天候に関わらず参拝することができます。

また、多くの納骨堂が永代供養なので後継者がいなかったり、何らかの事情で管理・供養することができなくても無縁仏になる心配がないといったメリットがあります。

その一方でお供え物に制限がある、契約期間がすぎれば他の永代供養墓と同様に合祀墓に移されるといったデメリットもあります。

メリット・デメリットは表裏の関係ですので、納骨堂についての基本をしっかり抑えて納得のいく選択をしてください。

  1. お墓を建立しない
  2. 屋内に遺骨を安置する
  3. 運営母体が3種類ある

納骨堂の特徴①お墓を建立しない

納骨堂では墓石を建立する必要がありません。

お墓がないと参拝した気がしないと感じる方もいる一方、管理面や費用面で遺族に負担をかけない埋葬方法であるといえます。

また、一般的に墓地は広い土地を必要とするため郊外にあることが多いですが、1つの建物にたくさんの遺骨を収蔵できる納骨堂はスペースをとらないため都心などアクセスの良い場所に設置されています。

納骨堂の特徴②屋内に遺骨を安置する

納骨堂は建物ですので、遺骨は常に屋内で管理されます。

一つ一つの遺骨の収蔵スペースはお墓より小さくなりますが、天候に左右されないというメリットもあります。

屋内ですので、線香が焚けないといった制約もあります。

納骨堂の特徴③運営母体が3種類ある

運営母体は寺院、民営、公営の3種類があります。

寺院が運営する納骨堂ではその宗派のやり方で管理・供養が行われます。

民営とは公益法人または宗教法人による運営のことで、広告や販売を他社が代行していても、運営の主体は公益性のある法人です。

公営とは都道府県や市区町村によって運営されているもので、最も価格が低いのが特長です。
その分倍率が高く、抽選が行われることもあるので必ず希望した納骨堂に入れるわけではありません。
居住年数などで制約が設けられているところもあります。

渡邊松枝
渡邊松枝

Q:お墓と納骨堂とで分骨することはできますか?

A:できます。
ただ、分骨するタイミングで必要な手順、費用が変わりますので注意してください。
具体的には以下の2パターンに分かれます。

①納骨した御遺骨を後から取り出す場合→閉眼供養(魂抜き)後、開眼供養する。この際、管理者より分骨証明書を発行してもらう。

②これから火葬する場合→火葬場の人か葬儀をとりまとめている人に連絡をし、分骨証明書を発行してもらう。

特に①の場合は墓石の移動費や閉眼供養・開眼供養のお布施など費用がかかります。

納骨堂の選び方

  1. 立地
  2. トータルで必要な費用
  3. 遺骨の収蔵単位
  4. 建物
  5. 運営元
  6. 契約期間

納骨堂の選び方①立地

参拝するにあたり立地の良さは大変重要です。
納骨堂は交通アクセスの良いところにあるところが多いとはいえ、ご自身のお家から行きやすいところであるかきちんと確認するのが良いでしょう。

車を使って参拝しに行く方は、高齢になって運転ができなくなった時のことまで考慮に入れてぴったりな施設を決めましょう。

建物内に休憩所や待合室がない場合は建物の近くで休憩できるような喫茶店などがあるかどうかも確認します。

納骨堂の選び方②トータルで必要な費用

納骨堂を購入する際、施設に限らず 永代供養料と永代使用料が必要 になります。
永代供養料とは長い期間(三十三回忌までとする施設が多い)にわたって供養・管理を行うための費用、永代使用料とは 長い期間にわたって遺骨を納める場所を使うための費用 を指します。
またほとんどの施設では 遺骨の管理料 が必要です。
管理料は初期費用に含まれているところも、毎年払うところもあります。

この他に、 戒名代・刻字料・洗骨料 がかかる施設もあります。

戒名とは生前の名前とは別に 仏様から頂く名前 のことです。
葬式で戒名を頂いた方は戒名代を支払う必要はありません。

刻字料とは 墓誌や銘板に故人の名前や没年月日を記入する代金 です。
オプションとして選べる施設もあれば、最初から初期費用に含まれている施設もあります。

洗骨料はあまり一般的ではありませんが、その名の通り 遺骨をきれいにするための費用 で施設によっては必要となります。

想定していた金額と支払う金額に差がでてしまわないよう、事前に 初期費用以外で必要な費用があるかどうか確認 しておきましょう。

納骨堂によっては年間管理料を払う限り管理・供養するというところもあります。
その場合、管理費が払えなくなったり、後継者と連絡がとれなくなったりしてからしばらくたった時点で合祀墓に移されるというところが多いようです。

これは 供養・管理する期間が決まっている永代供養タイプとは異なります。

納骨堂の選び方③遺骨の収蔵単位

遺骨を個人で入れるか、夫婦で入れるか、家族で入れるかによって適当な納骨堂が変わることがあります。

納骨堂は遺骨の収蔵スペースが狭いので、家族でも同じスペースに追加することができない場合があります。

これ以上遺骨を増やすことはあるのか、増える場合追加費用はいくらかかるのか、など将来も見据えて最適な納骨堂を選びましょう。

納骨堂の選び方④建物

  • 老朽化
  • バリアフリー
  • 掃除
  • 空調設備

建物が老朽化していないか、しっかり参拝できるスペースがあるのか といった項目を事前に確かめておきましょう。

参拝者が老齢の場合 バリアフリーであるかどうか などもチェックポイントになります。
無理なく参拝ができるかどうか建物の設備等もしっかり確認しておきましょう。

建物の掃除が行き届いているかどうか も大切な遺骨を預ける上で確認すべき点です。
パンフレットに載っている良い点ばかりを見るのではなく、実際にきちんと供養を行ってくれる体制になっているかどうかをご自身でチェックすることに大きな意味があります。

一度契約すると キャンセル料が発生 するところががほとんどです。
契約前にしっかりと資料を読み込んで分からないところは質問したり、 実際に施設を見学する ことをおすすめします。

空調設備が整っているかどうか も確認しましょう。
特に夏の暑い時期は空調施設が整備されていない屋内にしばらくいると熱中症になる危険があります。
ゆっくりと参拝できる環境が整っているかどうか、特に参拝者が高齢の場合身体に負担になることはないかチェックします。

納骨堂の選び方⑤運営元

寺院・民営・公営に関わらず信頼して遺骨を預けられるところであるかどうか、事前に運営者と話をしておくとよいでしょう。

大切な遺骨を預けておく場所ですから、運営者の人柄や責任感は大変重要です。

「この人(施設)に任せたい」と思える納骨堂を選びましょう。

気になることは事前にメモしておいて担当者の方に質問をするのも良いでしょう。
複数の施設で迷われている方はそれぞれの施設に同じ質問をして、その対応をもとに比較検討するのもおすすめです。

納骨堂の選び方⑥契約期間

契約期間がすぎると合祀墓に移される納骨堂が多いですが、施設によっては年間管理料を払う限り使用し続けることができるところもあります。

永代供養にするのか、先祖代々続いていくスタイルにするのか家族間でしっかり話し合って決めましょう。

施設によっては三十三回忌を過ぎた時点で合祀墓にいれるか、続けて管理・供養していくかを選べるところもあります。

供養するように十分な期間であるか、経済面での負担も考慮して決めましょう。

渡邊松枝
渡邊松枝

Q:納骨堂を解約すると違約金は発生しますか?

A:違約金はほとんどの場合発生します。

前提として、納骨堂を契約する際は契約書をよく読んで、分からないところは質問するようにしましょう。

契約書をきちんと読み込んでおくことで、場合によっては支払金の一部を返還してもらえる可能性があります。

納骨堂が選ばれる理由

納骨堂が選ばれる理由は何でしょうか。

理由はいくつかありますが、特に大きな理由を挙げてみます。

  • 墓石代などがかからないため、お墓よりも費用が安い
  • 屋内にあるため、天候に左右されずに参拝が可能
  • 手入れは施設の方が行ってくれるため負担が少ない
  • 施設の方が管理してくださるため、後継者がいなくても安心

この辺りの理由が納骨堂を選ぶ際の大きな割合を占めていると思われます。

納骨堂が向いている人

では具体的にどのような方が納骨堂に向いているのでしょう。

納骨堂に向いている人は以下のようなタイプです。

  1. お墓の後継ぎになる子孫がいない
  2. 自分一人または夫婦でお墓に入りたい
  3. お墓のメンテナンスをする手間を子孫にかけたくない
  4. お墓にかける費用をできる限り抑えたい
  5. 既存のお墓が遠い、参拝しにくい場所にある(急斜面など)

タイプ①お墓の後継ぎになる子孫がいない

お墓を継いでくれる人がいなければそのお墓は無縁墓になってしまいます。

納骨堂は施設の方が管理、供養を行ってくださるので、自分の入ったお墓が無縁墓になってしまう心配はありません。

タイプ②自分一人または夫婦でお墓に入りたい

お墓は基本的にご先祖様と一緒に眠ることになりますが、納骨堂は、個人や夫婦での契約が可能です。

何らかの理由で本家のお墓に入りたくない人や、特にそのような理由がなくても一人で眠りたい、夫婦仲良く二人で眠りにつきたいという方に納骨堂はおすすめです。

タイプ③お墓のメンテナンスをする手間を子孫にかけたくない

お墓の管理はかなり大変なものです。
定期的にお墓を掃除し、場合によってはリフォームや建て直しを行う必要も出てきます。

ですが、 納骨堂に入るとこのようなことは全て施設の方が行ってくださるので、子孫が管理をする手間が無くなります。

タイプ④お墓にかける費用をできる限り抑えたい

納骨堂はまず、墓石代がかかりません。
これだけでもかなりの 費用の節約に繋がります。

タイプ⑤既存のお墓が遠い、参拝しにくい場所にある(急斜面など)

お墓が現在住んでいる場所から遠いため参拝しにくい、または、参拝する方が高齢や身体が不自由なため、例えば急斜面に建てられたお墓だと参拝しにくい、などもうすでにお墓を持っていても、そのお墓に参拝できない方は多くいます。このような方にも納骨堂は向いていると言えます。

納骨堂のメリット

納骨堂が選ばれる理由でも述べましたが、ここで納骨堂のメリットについて先ほどよりもより詳しくご紹介します。

納骨堂のメリットは以下の通りです。

  1. 墓を建てるより安価
  2. 天候を気にせず参拝できる
  3. アクセスが良い
  4. 手入れやお供えの負担が少ない
  5. 後継者の心配がない
  6. 宗派不問
  7. 生前購入可能

納骨堂のメリット①墓を建てるより安価

お墓を建てる際は墓石代と土地代(永代使用料)がかかります。
納骨堂では 墓石代はかかりません し、遺骨の収蔵スペースが狭い分 永代使用料も安くなります

墓石は購入して終わりではなく、風雨にさらされたり、時間が経ったりして古くなってきたら改修する必要もでてきます。
そういった メンテナンス代 も個人で負担するより、設備費として納骨堂の契約者から一括徴収することで一人ひとりの負担が小さくなります。

また納骨堂では一部を除いて檀家にならなくとも遺骨を安置することができるので、 お寺とのお付き合いや法要のお布施などでかかる費用 も不要です。

個人でお墓を建てる際は基本的に 檀家となってお寺に所属 し、その菩提寺を経済的に支えていくことが多いです。

納骨堂の中でも特にロッカータイプであれば特に少ないコストで遺骨を収蔵することができます。

檀家については以下の記事で取り上げています。

納骨堂のメリット②天候を気にせず参拝できる

屋内にあるので雨や雪でも参拝することができます。

参拝は1回切りではなく、定期的に行うものです。
納骨堂では、お墓参りしようと思っていたのに大雨で行けなくなってしまう、といったことがありません。
忙しくてなかなか参拝にあてられる候補日が無い方でも、確実にお参りすることができます。

特に参拝者が高齢の場合は雨で土がぬかるんだり、雪で道路が凍ってたりするとお墓参りにいくこと自体がリスクになってしまうこともあります。

納骨堂は屋内ですし、駅から近いところが多いのでお年寄りの方でも天候を気にせずに参拝ができます。

納骨堂のメリット③アクセスが良い

都心などの交通の便が良いところに設置されているところが多いです。
学校やお仕事で忙しい方も時間をぬって参拝することができます。

参拝者が高齢になって自動車の運転ができなくなった場合でも、交通機関を使って参拝し続けることができます。

近年は都市部の墓地不足が問題になっており、希望の場所にお墓を建てることが難しくなっています。
都心に多く設置されている納骨堂はこのニーズを満たしてくれると言えます。

納骨堂のメリット④手入れやお供えの負担が少ない

施設が責任をもって管理をしてくれるので、 お墓の掃除や管理などの負担がありません。
また、墓地と違って屋内にあるので草むしりも必要ありません。

手入れが大変でついつい参拝を怠ってしまう、ということがなく定期的にお参りに行く習慣がつくかもしれません。

天候を気にする必要がない、アクセスが良いというメリットにも共通することですが、 参拝者が気軽に訪問できる のは故人にとっても参拝者の家族にとっても大きなメリットであると言えます。

納骨堂によっては施設が線香などを用意しており、手ぶらで参拝できるところもあります。
基本的には施設が供養してくれるので、お供えも必須ではなく、精神的な負担も少ないです。

納骨堂のメリット⑤後継者の心配がない

納骨堂では永代供養ができるところが多く、後継者の心配がありません。
永代供養とは家族にかわって寺院・霊園などが一定期間遺骨の管理・供養を行ってくれる方式です。

施設が責任をもって管理・供養してくれるので後継者がいない、後継者はいるが遠方に住んでいて管理ができないといった場合でも無縁仏になる心配がありません。
※無縁仏とは死後面倒を見てくれる人がおらず彷徨う故人の魂を指します。

すべての納骨堂で永代供養ができるわけではないことに注意してください。

永代供養に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

納骨堂のメリット⑥宗派不問

納骨堂に入るにあたり宗派は問われないところがほとんどです。

寺院運営の納骨堂の場合はその寺院の宗派の方式で管理・供養されます。

また、寺院によっては生前の宗派は問わなくても墓地に入る時に檀家になる必要があるところもあります。

納骨堂のメリット⑦生前購入可能

納骨堂は 生前購入が可能 なので、 後継ぎがいない 、または次世代に迷惑をかけたくないという方がご自身のために購入することも多いです。

納骨堂を生前に購入することで 相続税がかからない という経済面でのメリットもあります。

また、 自分自身で希望の納骨堂をじっくり選ぶことができます。
生前に何も準備をしていないと、当然のことですが、お葬式や納骨の準備をすべて家族が行うことになります。

手続きや法要がたくさんあって忙しく、時間にも追われる中で遺骨の安置先を探すことになりますし、故人が亡くなって精神的な負担を受けているので冷静に判断することが難しいこともあるかもしれません。

とにかく早く眠らせてあげたいと思い必要以上に判断を急いでしまうこともあるかもしれません。

判断を急いだ結果、費用が高くて管理料を支払えなくなってしまった、家から遠くて参拝頻度が減ってしまった、など家族だけでなく 本人の望んでいたことと全く違う結果になってしまう ということも考えられます。

生前購入は、家族の経済的・精神的負担を減らすためだけでなく、 自分が納得する納骨堂を選べる という点で大きなメリットがあります。

納骨堂のデメリット(問題点)

  1. 期間が終了すると合祀墓に入る
  2. お供え物に制限がある
  3. 遺骨を増やす場合、新規購入する必要があることも
  4. 災害時のリスク
  5. お彼岸、お盆に混雑する
  6. 建物の老朽化

納骨堂のデメリット①期間が終了すると合祀墓に入る

納骨堂に限らず永代供養は永遠ではありません。
三十三回忌をすぎると合祀墓に移されるところが多いです。

デメリットというより、永代供養の性質なのであくまでも一定期間の管理・供養であることに留意してください。

合祀に関しては、こちらの記事を参考にして下さい。

納骨堂のデメリット②お供え物に制限がある

例えば、 酒類は禁止など施設ごとにお供え物のルールが定められています。

お墓参りのお供え物として定番であるお線香についてはお供えできない納骨堂がほとんどで、代わりにろうそくの形をしたライトをつけます。

※専用の参拝スペースが用意されていて線香をお供えできる納骨堂もあります。

先祖代々の墓に比較するとお供え物の制約が多く、納得のいく参拝が出来ない方もいらっしゃるかもしれません。

納骨堂のデメリット③遺骨を増やす場合、新規購入する必要があることも

納骨堂は一つ一つの遺骨のスペースが狭いので、 新しく遺骨を追加する場合は新規で購入する必要がある施設もあります。

広々としたスペースに先祖代々の骨を埋葬できる墓に比べてデメリットであるともいえます。

仏壇式であれば比較的多くの遺骨を入れられるところが多いので、家族で入る場合、これから遺骨を追加する可能性がある場合にはおすすめです。

納骨堂のデメリット④災害時のリスク

多くの納骨堂が耐震・耐火になっているとはいえ、 万一地震が起きて建物が崩壊した場合や火事が起こった場合遺骨が損傷・紛失してしまうことがあります。

墓とは異なり、多くの遺骨が密集して安置されているので災害が起こった時にどれがどれか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。

納骨堂のデメリット⑤お彼岸、お盆に混雑する

信心深く定期的に墓参りする方だけではなく、普段なかなか墓参り出来ないけれどせめてお彼岸やお盆くらいは参拝の時間をとろうという方もいらっしゃいます。

お彼岸、お盆は故人に思いを馳せる重要な行事ですので当然いつもより多くの人が墓参りをします。

納骨堂ではたくさんの遺骨が一つの建物に安置されているので、故人の家族が お彼岸やお盆の時期は殺到する ことになります。

参拝するまでに長い時間待たされたり、心ゆくまで参拝できなかったりすることもあるかもしれません。
施設によってはこういった混雑時は通常より参拝可能時間を延長するところもあります。
また、もともと24時間参拝可能な納骨堂では時間帯をずらすことで混雑を回避できます。

納骨堂のデメリット⑥建物の老朽化

お墓と納骨堂は「戸建て」と「マンション」というように例えられます。
お墓はそれぞれの家族が個別でもつものですので、風雨にさらされるなどして傷んだ場合メンテナンスを行います。

納骨堂についても長い年数が過ぎて建物が老朽化した場合メンテナンスが必要 ですが、とても多くの遺骨を収蔵しているのでお墓のようにスムーズに行えるかどうか不安に思う方も多いでしょう。

収蔵されている遺骨を一度他の場所に移して建物を建て替えるのか、など気になることがあったら施設に質問しましょう。

また自動搬送式の納骨堂では自動搬送システムのメンテナンスも必要です。
メンテナンス期間中は参拝することが可能なのかどうかなども事前に聞いておくと安心です。

渡邊松枝
渡邊松枝

Q:納骨堂に残されたお供え物はどうなりますか?

A:基本的には納骨堂に残されたお供え物は施設側が処分します。

ただし、納骨堂によってルールがあります。

ほとんどの施設が、お供え物の持ち込みは可能であるが、帰るときに必ず持ち帰るように定められています。

また以下のものはお供えすることができないことがあります。
・火が出るもの
・匂いがきついもの
・生花(花びらが落ちてよごれてしまうので造花がベター)

屋外のお墓とは環境が異なるので気をつけてください。

また、ロッカータイプはスペースが狭いのでお供え物がおけない施設もあります。

納骨堂の種類

様式で異なる納骨堂の種類

納骨堂の様式別の種類は大きく3つに分かれます。

  1. 自動搬送式
  2. ロッカー式
  3. 仏壇式

納骨堂の様式別種類①自動搬送式(機械式)

骨壷は一箇所に集められて 一括管理 されており、参拝者専用のカードをかざすと参拝スペースまで 自動でそれぞれの遺骨が運ばれてくる タイプです。

骨壷だけを収めているのでスペースをとらず、たくさんの遺骨を安置できます。

専用のカードがないと参拝できないため、 セキュリティ面において安心 できるシステムです。

施設によっては24時間いつでも参拝できます。

自動搬送式を取り入れている納骨堂は 比較的新しいところが多く 、中には 故人の生前の音声メッセージや写真を見ることができる 施設もあります。

建物の外観は オフィスビルやマンションのように近代的なつくり をしているところが多いです。
法要施設や休憩所、待合室など が建物内に設置されているところもあります。

納骨堂の様式別種類②ロッカー式・棚式

ロッカー式とはコインロッカーのように遺骨が収納されたスペースが隣り合って並んでいるタイプで、鍵をかけることもできます。

また施設によっては故人の思い出の品を置いておくこともできます。

デザインはシンプルなものから華やかなものまで様々です。
個別のスペースが一つ一つ仏壇のようになっている施設もあります。

棚式はロッカー式の仕切りがないものを指します。

参拝しにくい下段と上段とで価格が異なる施設もあります。

納骨堂の様式別種類③仏壇式

上スペースに仏壇、下スペースに遺骨を安置するタイプの納骨堂です。
他の2つのタイプに比べて一つ一つのスペースが広く、収蔵できる遺骨の数も比較的多くなっており、逆に一人用の遺骨の収蔵を想定していない施設もあります。

立派な仏壇を用意している設備が多く、多少お値段がはっても納得いくように参拝できる方が良いという方にはおすすめです。

自宅にある仏壇のように位牌や遺影を置くこともできます。
ただし施設によって決まりがあるので注意してください。

基本的には立ったままお祈りします。

運営元による納骨堂の種類

納骨堂の選び方のところでも少し触れましたが、運営元による納骨堂の種類も3つに分かれます。

  1. 公営
  2. 民営
  3. 寺院

納骨堂の運営元別の種類①公営

公営というのは、 都道府県や市町村の自治体が運営している納骨堂のことです。

使用料が比較的安いのが特徴ですが、使用するにはそれぞれの自治体が定めている条件をクリアする必要があります。

例えば、その自治体に〇年以上居住していることなどが使用条件になります。

また、公営の納骨堂は非常に人気が高いため、納骨を希望しても叶わない可能性もあります。

申し込み方法は各自治体のホームページに掲載されていることが多いです。

納骨堂の運営元別の種類②民営

宗教法人、財団法人、社団法人が母体となっているのが民営です。

民営の特徴としては、宗派不問であることが挙げられます。また、公営のような使用条件もほとんどありません。

利用プランやサービスが充実していることも民営のポイントです。

納骨堂の運営元別の種類③寺院

その名の通り、 寺院が運営母体となっているのがこの種類の納骨堂です。

寺院運営の納骨堂はほとんどが寺院内に設置されています。
檀家にならなくても利用できるというのが特徴です。

また、お寺で法要が行えることや、住職に供養してもらえるということで安心感も得られます。

最近では神社や教会が納骨堂を所持しているところも増えてきています。

納骨堂の費用・料金相場

納骨堂の相場は種類と遺骨を安置する単位によって分かれます。

種類別

種類別ではロッカー式が低価格、自動搬送式が高価格な傾向があります。

種類 相場(1人用)
自動搬送式 50〜100万円
ロッカー式 10〜20万円
仏壇式 30〜40万円

遺骨を安置する単位別

種類区分をしないで、遺骨を安置する単位別に納骨堂の相場を出すと、一人用は約50万円、家族用は100万円程度です。

納骨堂によっては2人までで80万円といったような値段設定をしているところもあります。

一つの契約で収蔵できる遺骨が限られているところは上限を超えると新規で契約しなければならず、複数人収蔵できる納骨堂より総額が高くなってしまう可能性もあります。

納骨堂の契約までの流れ

  1. 情報収集(資料請求、お問い合わせ)
  2. 納骨堂の見学
  3. 契約
  4. 料金支払い
  5. スケジュール調整
  6. 納骨

契約までの流れ①情報収集

まずは、インターネットや広告チラシなどから納骨堂の情報を集めます。

多くの納骨堂の中から自分の求める条件にあった納骨堂をこの時点でいくつか絞り込んでおきます。

契約までの流れ②納骨堂の見学

気になる納骨堂を見つけたら、施設へ連絡して中を見学させてもらいます。

実際に見学することで、その施設の雰囲気や、利用者さんががどのように参拝しているのかを知ることができます。

施設の設備だけでなく、施設周辺がどのような環境なのかなども確認しておくと良いでしょう。

後でどの納骨堂にするか決める時に不安点が残らないよう、何か疑問になることがあれば施設の方に質問してみましょう。

契約までの契約までの流れ③契約

購入する納骨堂が決定したら契約に入ります。

契約の際には基本的に以下の書類が必要です。

  • 戸籍謄本
  • 印鑑登録証明書
  • 身分証明書
  • 印鑑(実印)
  • 申込書(施設側が用意します)
  • 使用許可願書(施設側が用意します)

このタイミングで申し込み手付金としてお金を支払う場合もあります。

契約までの流れ④料金支払い

ここでいう料金には、永代使用料のほか、納骨法要、刻字料などが挙げられます。

追加費用があるところもあるのであらかじめ確認しておきましょう。

また、生前に納骨堂を購入した場合、年会費や管理費の支払いを求められることもあります。

分割払いなのか、一括払いなのかなど支払いの種類の確認も大切です。]

契約までの流れ⑤スケジュール調整

葬儀当日や法要に合わせて納骨できるよう、スケジュール調整はきちんと行いましょう。

万が一納骨の日程を変更したい場合は速やかにその旨を伝えましょう。
キャンセルする場合はキャンセル料が発生するところもあります。

契約までの流れ⑥納骨

納骨以降は好きなタイミングで参拝ができます。

基本的には33回忌まで、一年に一回法要を行います。

納骨堂以外で永代供養は可能?

納骨堂以外でも永代供養ができるスタイルはあります。

  1. 永代供養墓
  2. 樹木葬
  3. 散骨

納骨堂以外の永代供養①永代供養墓

永代供養墓は永代供養がセットになった墓を指します。
大きく分けて三種類あります。

  1. 個人墓・夫婦墓
  2. 合祀墓
  3. 集合墓

個人墓・夫婦墓とは 個人もしくは夫婦単位で墓を建て永代供養してもらう墓 を指します。
墓の場所や墓石のデザインを自分自身で選ぶことができますが、値段は3種類の中で1番高いです。

合祀墓とは、見ず知らずの方の遺骨とともに入るお墓のことです。
遺骨を後から取り出すことができませんが、 低価格で埋葬 することができます。

個人墓・夫婦墓であれ集合墓であれ、一定期間がすぎると合祀墓に移されます。
最終的には合祀墓に入ることになるのであればいつ入っても変わらないし、安いほうがいい、と考える方は合祀墓を選択します。

集合墓は骨壷に収納された遺骨を共同で埋葬する墓をさします。
合祀墓との違いは骨壷に収納されているために 一つ一つの遺骨に個人的なスペースがある 点です。

永代供養墓については、こちらを参考にしてみてください。

納骨堂以外の永代供養②樹木葬

樹木葬とは墓石の代わりに木を墓標とする埋葬方法のことです。
平均費用は50万円程度ですので比較的手軽なスタイルといえます。

  1. 里山型
  2. 都市型(ガーデニング型)

の2種類に分類されます。

里山型は森林に囲まれた場所での埋葬方法を指します。
既に墓標になる木がある場所に埋葬する場合も、埋葬する場所を決めてから木を植える場合もあります。

都市型(ガーデニング型)は公園のような場所で区画されたスペースに遺骨を埋葬する方法です。
交通アクセスがよく参拝しやすい場所にあることが多いです。
里山型と比べると平均金額は高いです。

樹木葬については、こちらも参考にしてみてください。

納骨堂以外の永代供養③散骨

遺骨を砕いて海や山にまく方法を散骨といいます。
自然に帰りたい、思い出の場所で眠りたいという風に お墓にとらわれないスタイルを望む方 や家族が選択します。

狭義では寺院・霊園が一定期間供養してくれる永代供養とはいえませんが、お墓の後継者がいなかったり、管理・供養できなかったりしても問題ないという点で広義では永代供養に分類されます。

費用もかなり安く抑えられます し、 遺族の負担が少ない というメリットがあります。

ただし、本人が希望しても遺族の方が納得しないというケースもあるようですので、しっかりと話し合うことが重要です。

散骨する際は遺骨を粉骨する、他人の所有地に散骨しないなどの規定がありますので専用の業者の方にお願いするのが良いでしょう。

※分骨して一部を永代供養し、一部を手元供養するという方法もあります。

海洋散骨については、こちらを参考にしてみてください。

納骨堂という選択

近年人気上昇中の納骨堂について解説しました。

納骨堂を故人のために契約される方だけでなく、自分のために生前購入される方も多いです。
時間のあるうちにじっくりと検討して、悔いのないライフエンディングをご自身で決めることもおすすめです。

大事なのは故人を想う気持ちなので、必要以上に高価な施設を選択するよりも、 自分が納得して参拝できる納骨堂を経済的に無理のない範囲で選択しましょう。

納骨堂と一言でくくっても施設によって値段やシステムなどは様々です。

故人が亡くなってから遺骨の安置先を探す場合は時間の制約もあり焦ってしまう方が多いと思いますが、なるべく多くの施設を比較検討して家族内でじっくり話し合って決めることでトラブルを回避できます。

資料請求や電話問い合わせ、現地見学などを通してできる限り情報を集めましょう。