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葬儀

神道(神式)の葬儀の流れとマナー!香典、玉串料や50日祭も解説!

皆さんは神式の葬儀をご存知ですか?

日本の宗教と聞くと、仏教を思い浮かべる人がほとんどだと思いますが、実は神道は仏教よりも前から日本に存在する宗教です。

ここでは、神道の葬儀の流れやマナーはもちろん、神式特有の儀式もご紹介します。

神道(神式)の葬儀の流れとマナー!香典、玉串料や50日祭も解説!

そもそも神道とは?

神社

神道 について皆さん、ご存知でしょうか?
「神」を信仰する宗教といったイメージなのではないでしょうか。

神道 とは、日本に昔から伝わる宗教の1つで、仏教が開かれるより遥か昔から存在します。

原点は古来の教義や教団組織を持たず、地域共同体に機能した庶民信仰と儀礼の複合体です。

神道は特定の神様を信仰せず、自然に存在する 万物に神が宿る という アニミズム の考え方が大きな特徴です。

その数多くの神を総称して、「 八百万(やおよろず)の神 」と言います。

これは、動植物や昆虫、その他一般的に生命のないとされる山や川などの自然や自然現象をはじめ、さらにその中の岩や滝などへも、神や神聖なものとして存在を認めます。

神道の特徴

日本語において宗教は◯◯教と言いますが、神道の場合は宗教名が神教でないのも特徴です。

さらに、先ほど述べた通り神道は民間信仰が原点となっているため、特定の教祖や創始者が存在しません。

それゆえに、キリスト教における聖書や仏教における経典、イスラム教におけるコーランのような「教典」もありません。

神道は長い歴史を持つ宗教であるものの、仏教や儒教などの他の宗教の影響を深く受けています。

そのため神道では他の宗教を否定することはせず、仏教の信仰対象も、神道における1つの神様だと考えられているのです。

神道(神式)の葬儀の意味

定義

神式の葬儀を 神葬祭(しんそうさい) と言います。

仏教での葬儀は、故人を極楽浄土へ送ることを目的として行われ、故人は仏様の元で安らかに暮らすとされています。

それに対し、神葬祭の目的は 故人を家に留めて守護神とする ことです。
これらは、 祖先崇拝 が元々神道の考え方であったことなどに繋がります。

さらに、仏式の葬儀はお寺で行われるのが一般的なのに対し、神式の葬儀は神社で行いません。

神道において 死は穢れ とされているため、神社のような神の聖域へ穢れを持ち込むことは厳禁であるからです。

神道の死生観

神式の葬儀には神道特有の死生観が深く関係します。

神道において、命は神が人間へ「お任せになったもの」であり、それはいつか神へ返さなくてはなりません。

その 生命を返す時 こそが「死」なのです。

先ほど述べたように、神式の葬儀は故人を家に留めて守護神とするための儀式であり、 遷霊祭 (せんれいさい)で故人の霊魂を遺体から霊璽(れいじ)と呼ばれる、仏教でさすところの位牌にあたるものへ移し、 葬場祭 (そうじょうさい)で死の穢れを清め、故人を家の守護神として祀ります。

神葬祭に関しては、こちらの記事も参照してください。

神道(神式)の葬儀の流れ

ここでは神式の葬儀の流れを紹介します。

神葬祭 流れ

神式の葬儀は、大きく分けて、 ご臨終から納棺、通夜・遷霊祭を含む葬儀1日目、葬場祭から帰家祭を行う葬儀2日目の3つに区切るのが一般的です。

神式葬儀の流れ①ご臨終から納棺

ご臨終から納棺までに行うべき行程は以下の通りです。

  1. 帰幽報告(きゆうほうこく)
  2. 枕直しの儀
  3. 納棺の儀

(1)帰幽報告(きゆうほうこく)

訃報を聞いたのち、神棚や祖霊社(それいしゃ)と呼ばれる、仏教においての仏壇にあたるものへ故人の死を奉告します。

その後、神棚に穢れが及ぶことのないよう、神棚や祖霊社の扉を閉めて白い半紙を貼ります。

(2)枕直しの儀

故人の遺体へ白い小袖を着せたのち、枕を北向きにするようにして寝かせます。
その際には、守り刀を故人の胸の上に置き、寝かせた傍らへ白布をかけた小さな机を用意します。

燈台のろうそくに火をつけ、榊を置き、塩・水・米を「 三方 」と呼ばれている台の上に置きます。

(3)納棺の儀

納棺については仏式と変わりません。
新しい布団を棺に設置し、ご遺体を納めたら白い布で覆い、拝礼をします。

神式葬儀の流れ②葬儀1日目

葬儀1日目に行われる儀式は以下の通りです。

  1. 通夜祭
  2. 遷霊祭

(1)通夜祭

通夜祭も仏教の通夜と変わらず、一ほぼ同様の流れです。

仏教と異なる点としては、参列者が玉串を奉って拝礼する玉串奉奠が行われる点、神職による祝詞が奏上される点が挙げられます。

中には、雅楽の演奏も含まれる場合もあります。

(2)遷霊祭

遷霊祭は神式葬儀の特徴的な儀式の1つです。
死者の御霊を遺体から霊璽に移す目的から、別名に「御霊うつし」があります。

この際には、部屋の明かりを全て消して暗くします。

魂が移された霊璽は一時的に仮霊舎(かりのみたまや)に置かれ、灯りがつけられたら一同がその場へ集まり、お米を供えます。

御霊を遺体から霊璽に移す際には、神職が遷霊詞を述べます。

神式葬儀の流れ③葬儀2日目

葬儀2日目に行われる儀式は以下の通りです。

  1. 葬場祭(そうじょうさい)
  2. 火葬祭
  3. 埋葬祭
  4. 帰家祭

(1)葬場祭(そうじょうさい)

神式にて通夜祭を行った翌日の葬場祭とは、仏式でいう葬儀・告別式を指します。

葬場祭は、神式の葬儀においては最も中心的な儀式で、 弔辞の奉呈弔電の奉読祭詞奏上玉串奉奠 などが行われます。

葬場祭に関しては、こちらの記事も参照してください。

(2)火葬祭

火葬場 遺骨処分

火葬祭とは、火葬の際に行われる儀式のことで、故人に別れを告げる最後の機会となっています。
神職は祭詞を奏上し、参列者は玉串を献上し拝礼します。

火葬に関しては以下の記事で解説しているのでぜひご覧になってください。

(3)埋葬祭

埋葬祭とは、遺骨を埋葬するために行われる儀式のことです。
遺骨をお墓へ納めたのち、銘旗と呼ばれる故人の名前や職名などが載った旗やお花を供えます。

(4)帰家祭

埋葬祭までを終えたら自宅へ戻り、塩や手水で自身を清めます。
その後、霊前に向けて無事に神葬祭を終えたことをお伝えします。

お伝え終わったら、神職やお世話になった人などを招いて「 直会の儀 」という、神事後、通常の生活に戻るための儀式を開催します。

神道(神式)の葬儀のマナー

マナー

ここでは、神式の葬儀において気をつけたいマナーを紹介します。

  • 数珠は使わない
  • 服装は一般的な喪服
  • 控えるべき言葉

数珠は使わない

数珠とは、もともと僧侶が読んだ経の数を数えるためものです。
そのため、神式の葬儀には数珠は持参しないようにしましょう。

服装は一般的な喪服

神式の葬儀に参列する際も、服装は仏式の葬儀に参列する際と同じで構いません。

男性

喪服 メンズ ダブル 準喪服

通夜祭を筆頭とした葬儀1日目に参列する場合には、男性はダークスーツ、葬儀のメインとなる2日目に参列する場合には、礼服を着用するようにしましょう。

男性の喪服に関しては、こちらを参考にしてください。

女性

女性 準喪服

女性は地味な色のスーツが良いでしょう。
男性と同様に2日目には礼装が望ましいです。

足元は黒い靴下や黒いストッキングに、黒色の金具のついていない靴を合わせます。

皮で出来たものは「殺生」をイメージさせるため避け、カバンは黒の金具のついていないもの、ハンカチは白もしくは黒色のもの、袱紗(ふくさ)は紫色など寒色系の暗めの色を選択します。

女性の喪服に関しては、こちらを参考にしてください。

控えるべき言葉

死生観は宗教によって異なるため、それによって使っても良い言葉と控えるべき言葉があります。

仏式の葬儀ではよく用いる言葉であっても、神式では使ってはいけないというケースも稀ではありません。

中でも、多くの方が間違えるのが 「ご冥福をお祈りします」 という言葉です。
神式では、「故人は、家に留まり家族を見守ってくれる神様になる」と考えられています。

そのため、亡くなった後の幸福を祈る「 ご冥福 」という言葉は相応しくありません。

また、「重ね重ね」などといった不幸が重なることをイメージさせる言葉や、直接的に生死を連想させてしまう言葉などは、仏式同様、神式でも控えるのがマナーです。

神道(神式)の葬儀の香典・御玉串料

費用

神道における香典「 御玉串料 」は、不祝儀袋の書き方など、仏教と異なる点がいくつか存在します。

玉串料については以下の記事をご覧ください。

不祝儀袋の選び方

神式の不祝儀袋には、 白黒 もしくは 双銀結び切り の水引を選択します。

香典

蓮の花の入った不祝儀袋は仏式の葬儀のみで用いるものなので、神式の葬儀の際には利用しません。

また、百合の花の入った不祝儀袋はキリスト教の葬儀でも用いるもののため使いません。

神式の表書き

神式の不祝儀袋の表書きには、「 御榊料 (おさかきりょう)」「 御玉串料 (おたまぐしりょう)」「 御神前 (ごしんぜん)」が主流となっています。

他にも、多くの宗教で使える「 御霊前 (ごれいぜん)」を用いるのでも構いません。

香典 御霊前 高級

表書きには、涙で墨が薄くなってしまったことを示す 薄墨 を用いるのが正式です。

玉串料ののしの書き方については以下の記事で取り上げています。

金額の相場

包む金額の相場は、宗教には関係がなく、仏教の際と同様に 故人の関係性贈り手の現在の年齢と立場 によって決まります。

以下、御玉串料の相場の例です。

故人が両親

贈り手の年齢 金額
20代 3万〜10万円
30代 5万〜10万円
40代 10万円程度

故人が祖父母

贈り手の年齢 金額
20代 1万円
30代 1万〜3万円
40代 3万〜5万円

故人が友人、知人

贈り手の年齢 金額
20代 5千円程度
30代以降 1万円程度

故人が勤務先の上司、同僚

贈り手の年齢 金額
20代 5千円程度
30代 5千〜1万円
40代 1万円〜

相場に関しては、こちらの記事も参照してください。

神道(神式)の50日祭とは?

50日祭とは

神棚

神式における50日祭とは、仏教でいうと49日法要を指します。

仏式では、故人の御霊を49日の日数をかけて仏となるために極楽浄土へ送り出すのに対し、神式では、50日祭にて故人の御霊を家庭を見守る守護神として自宅の祖霊舎(神棚)へ迎え入れます

神式では、50日祭を終えて 忌明け となります。

50日祭の流れ

50日祭で行われる儀式は以下の通りです。

  1. 合祀祭
  2. 献撰(けんせん)
  3. 祝詞奏上
  4. 玉串奉奠
  5. 直会(なおらい)
  6. 納骨
  7. 清祓いの儀

(1)合祀祭

故人の霊を仮霊舎から祖霊舎(神棚)へ移すための儀礼です。
本来、50日祭と100日祭の間の夜間に行いますが、近年は50日祭の当日に行うことが一般的になってきています。

合祀に関しては、こちらの記事も参照してください。

(2)献撰(けんせん)

祭壇や墓前へのお供えの行為をさします。
神道では、故人が生前好きだったものに加えて、酒・塩・米など様々なものをお供えします。

(3)祝詞奏上

祝詞 とは、神霊の徳を称えて感謝と信奉を伝えるための文章で、祝詞奏上は、仏式でいう僧侶の読経を指します。

(4)玉串奉奠

玉串 とは、榊の枝に紙垂(しで)と呼ばれる紙片を結びつけたものを言います。
神式においては、この玉串を祭壇に捧げる 玉串奉奠 と呼ばれる儀式は欠かせません。

この玉串奉奠は、仏式でいう焼香を指し、一般的に喪主・遺族・親族・友人や知人という順番で行います。

玉串奉奠に関しては、こちらの記事も参照してください。

(5)直会(なおらい)

直会とは、神饌(しんせん)と呼ばれる、神事の儀礼を終えた後、神や御霊に捧げた供え物を祭壇から下ろし、参列者で頂く会食のことを言います。

これは、 神饌を頂くことで、その力を参列者で分け合い、尊い存在と強く結びつく、という意味を持ちます。

直会は宗教的な意味をもつ儀式である他に、参列者が故人を偲び思い出を語りあうための場ともなっています。

(6)納骨

故人が入るお墓の用意が整っている場合には、この50日祭と併せて納骨が同時に行われることもあります。

(7)清祓いの儀

故人が亡くなった時の帰幽報告から、祖霊舎(神棚)は白い半紙で封じられています。

清祓いの儀とは、その半紙を剥がす儀式のことをさし、これを持って遺族は 忌明け となります。

本来は50日祭の翌日でしたが、近年では合祀祭とともに50日祭当日に行うことも増えているようです。

50日葬については以下の記事で紹介しています。

【コラム】神道と仏道の違い

違い

仏教の影響を大きく受けている神道ですが、大まかに 信仰の対象死生観 において、仏教との差異が存在します。

信仰の対象

神道では、「八百万の神」といった考え方に基づいて、 自然に存在する万物 を信仰の対象としており、人物も信仰の対象となり得ます。

自然に存在するものはもちろんのこと、人をも信仰の対象としている神道に対して、仏教では 仏様仏陀 など特定の信仰対象を有しています。

また、神道には教典がないのに対し、仏教には 経典 が存在します。

死生観

冒頭でも述べた通り、神道では「 亡くなった人は氏神となって、家を守ってくれる存在 」となるのです。

しかし、仏教の死生観は「 輪廻転生 」といった言葉で解説されるように、 生まれ変わり を信じる考え方です。

ただ、浄土真宗では、「 亡くなった人はみな仏様となり、生まれ変わりはない 」と考えるため注意が必要です。

仏式とは異なる神式の葬儀

これまで紹介してきた通り、神式の葬儀には仏式とは異なる点がいくつか存在します。

自身が仏教徒であったとしても、神式の葬儀に参列する機会が無いとは言い切れません。

また、神道は仏教よりも前に始まった宗教です。

この記事を参考に、皆様の神式葬儀に関する知識が深まることを祈っています。

みん終編集部

みん終編集部です! みんなの終活ドットコムでは、終活・ライフエンディング、葬儀のマナーやお墓選びなど、終活の知りたいに答えます!

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