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葬儀

【ご住職監修】お斎(おとき)とは?挨拶・流れ・料理・席次を解説!

僧侶の方による読経が終わった後には、施主の方から招かれた一部の人が参加する会食が設けられることがあります。
これをお斎といい、古くは仏教の戒律が元となって根付いた習慣です。

本記事では浄土真宗のご住職監修のもと、お斎の流れから出さされる料理の内容や会食での席の付き方も解説してきます。

【ご住職監修】お斎(おとき)とは?挨拶・流れ・料理・席次を解説!

【ご住職監修】お斎とは

お斎

一般的には法事の際に僧侶の方による読経が終えた後の会食がお斎であり、「おとき」と読みます。

仏教の戒律では、一日は正時と非時に分けられます。
正時以前の時間帯に食事を行い、以降の非時の時間に食べ物を口を入れないことが戒律の一つです。

僧侶の日々の修業と定められるこの正時前の食事が、後に肉等を食べない意味合いに変化した後、現代の仏事法要の食事をさすようになりました。

お斎の意味

法要後の会食は、多忙な中時間を空けて参加してくださった方々への感謝として遺族側から行います。

また、故人をよく知っている方々と食事を共にすることで、思い出と共に故人の方の存在を振り返る大切な機会となります。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)

古くは、平安貴族の「季御読経」(きのみどきょう)という、仏事法要にあわせて茶会を開いたことにも由来します。

会食を共にすることは、法要の一部として、招いた僧侶への供応、接待の意味合いが強くあります。

精進料理が古く用いられる由来も、世俗の者が食べるためではなく、あくまで法要に招いた僧侶への感謝の意味があります。

お斎の日程

法要後に会食をお出しする目安は大がかりな法要にあたるかどうかで決まります。
一周忌までに行われる法要が主となります。

具体的には以下の四つです。

  • 初七日
  • 四十九日
  • 初盆
  • 一周忌

上4つの法要は故人に関わった人々を呼ぶため、会食の準備も大掛かりになります。
一方、以降の三回忌の法要では親戚や家族を招いて行うため規模は小さくなります。

一般的に七回忌以降は会食等は控えていくのが傾向です。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)

現在では会食を準備することが予算や時間の都合から難しくなってきています。

しかし、参列者や僧侶を供応する意義を踏まえると、軽食や茶菓に代えることも難しいです。
浄土真宗では故人のためではなく、故人を縁として参列する人々が仏法を聞かせていただくことに法要の重きを置いています。

法要で出会う人々が旧交をあたため、仏法に触れていただける貴重な機会ととらえるならば、規模は小さくともお斎の機会を設けてほしいです。

お斎と精進落しの違い

法事

お斎と精進落しは、法事の際の食事をさす、席次の存在など似ている点もあります。
しかし、意味の他にも明確に違う点があります。

  • 招かれる立場
  • 日程

の二つです。
それぞれを以下の表に示します。

事柄 タイミング 招く人
お斎 法要毎 法事の参加者全員
精進落とし 火葬後の法要 僧侶・親族

火葬後の法要は初七日が一般的でしたが、四十九日の法要や告別式の料理を精進落としとすることもあります。

精進落しとは?

告別式終了後の会食が精進落としです。
火葬を行うには多大な労力がかかります。

そのため、火葬場から戻った後僧侶や関係者の人々にお礼の気持ちを示すために振舞われるのが精進落としです。

精進上げと呼ぶ地域もあります。
なお、浄土真宗では精進落としもお斎といいます。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)

精進落としは文字どおり喪中や忌中明けを意味し、中陰の四十九日法要の会食などを指します。

お斎とは、それらを含む仏事法要における会食や茶菓の接待全般を意味します。

精進落としに関しては、こちらの記事を参照してください。

お斎に施主が準備すること

喪主

施主が葬儀後の食事のために行う準備の内容としては以下の三つが主です。

  • 会場決定
  • 予算の算定
  • 返礼品の準備
  • 案内状の手配

以降に詳しく解説します。

会場決定

会食

食事をする会場の場所は参列する人数、法事会場との距離の兼ね合いで決まります。
参加者が身内のみの小規模な会食は自宅で、規模が大きい場合は菩提寺で会食を行います。

参列者全員分となると必然と料理も大がかりなものとなります。
菩提寺でも手狭な際は別途レストラン等を予約するケースもあります。

食事が終わった後にお墓参りをする方も多いです。
別途予約した場所で会食を行う場合は墓との距離も考慮するようにしましょう。

料理の準備の都合や、法事の案内に法事後の会食を組み込むことも踏まえ、なるべく法要日の二週間前には予約と手配を済ませておいてください。

予算の算定

お斎に伴いかかる費用は食事場所により異なります。
ホテルやレストラン等の別の場で食事を行う際は5000円~10,000円が一人当たりの値段となます。

菩提寺や自宅で食事を行い、懐石料理などを手配してもらう場合も同様に5000円~10,000円が一人当たりの金額になります。

場所によって値段は上下しますが、法要に参加するのが身内のみの際は仕出し弁当などにより会食を簡略化し、3000円~5000円で済ませるのも可能です。

返礼品の準備

法要に参列した方々には返礼品を渡します。

お斎を欠席し帰宅する方には法要後の帰り際に渡しますが、お斎に参加される方には一度支障のならないよう喪主側で預かった後 会食の終わり際に返礼品を渡すのが一般的です。

返礼品を会場先に手配し、前もって参加者の席の横に置くことも可能です。

返礼品の目安

長距離をわざわざ足を運んでくださっている方もいらっしゃるので、 かさばらず持ち運びのし易い物を返礼品としてください。

返礼品の価格の目安は 2,000円から多くて5,000円程となります。
現在はカタログギフトを渡すことも多いのですが、日用品や以下のようなお菓子の詰め合わせが一般的です。

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返礼品の水引の形は結び切りで、色は百日法要までは黒白、一周忌以降のでは黄白にしましょう。

案内状の手配

場所や料理が確定した際にはまず菩提寺や葬儀会社に連絡をいれ事項を伝えます。
以降は、参列する人々のお斎の出席確認をとります。

身内のみが同席する時は電話の連絡に留めても構いません。

しかし、参列者の数が多くなり、電話のみ対応だと手に負えない際は往復はがき等の返信用のはがきを用い、案内状を送付するようにしてください。

案内状にも法要後の食事場所は記載します。
なるべく早めに案内状は送るようにしましょう。

案内状に関しては、こちらの記事を参照してください。

お斎を行わない際の注意点

! 注意

近年、法事の規模の縮小化に伴い、お斎を行うのを取りやめる事例も増えてきています。
ですが、お斎をしない際でも対応を守れば失礼にはあたりません。

お斎を行わない際は、その旨を法要に臨席する人々に予め伝えます。

読経まで法要が終了した後、法要にいらした方々が帰宅なさる際にお斎分の折り詰めの弁当と小瓶の酒を渡してください。

折り詰めの弁当と小瓶のお酒の値段を足し合わせた分がお斎の費用となるように手配を行います。

お斎分に満たない場合は香典の返礼品の値段に上乗せし、より返礼品の値段を上げる事で対処しても構いません。

僧侶の方がお斎を辞退した際の対応

原則お斎には僧侶の方を招くのが礼儀です。
しかしお盆の時期などは僧侶の方が多忙のため、お斎の出席を断る事もあります。

その場合は、会食の金額を御膳料として包み、白無地の封筒に「御膳料」と表書きを濃い墨で記してください。

お斎の席次

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法要と同じく、お斎もその方の立場と関係性を踏まえた席順のマナーが存在します。
ここでは座敷、テーブル席の場合の上座・下座についても解説を行ったうえで法要が終わった後の会食の席次の解説を行ってきます。

上座と下座について

  • 会食場所が畳敷きの座敷の際は床の間に近い方が上座、出入り口に近い方が下座。
  • テーブル席の場合、出入り口に近い方が下座となります。

座敷の食事について、部屋の片面一面に床の間があった場合は真ん中が最上座となります。

お斎の座る順

お斎の席次は、以下の三点を踏まえたうえで席の構成を考えるようにしてください。

  • 僧侶の方は上座。
  • 施主は僧侶の隣。
  • 親族は末席。

施主は挨拶や全体の流れを取り仕切るためにも僧侶の隣に着席するようにしましょう。
その他参列して下さったの並びに決まりはありません。

話が弾むように参列してくださった方の立場や人間関係を踏まえ、座って頂きます。
このように、会食の席順は立場によってある程度座り方のルールが存在します。

席次については会食場所を決める際など、事前に決めておくようにしましょう。

予め席を決める時間がなかった場合は、親族の方々などに上座と下座の位置を伝えたうえで、会食に出席する方々の誘導をお願いしてください。

時間的に余裕があった場合は席札を予め作成しておくと、席に置いておくと当日慌ただしい中でも誘導に時間をとられずに済むためお勧めです。

【ご住職監修】お斎で出される料理

精進料理

お斎は仏教における肉食を禁じる戒律が元になって生まれた習慣のため、かつてお斎の料理は自宅や菩提寺で振舞われる精進料理が中心でした。

ですが、お斎が無かった場合の引き出物として小瓶のお酒が含まれているように、 原則あからさまなご祝儀の料理でなければ料理の種類の指定はありません。

ご祝儀の料理としては具体的に鯛や海老、あわびなどが挙げられますが、 料理を手配する際に事前に法要の料理だと伝えておけば調理側の方でルールに即した料理を出してくれます。

仕出しの料理や弁当を外注する際や別にレストランを予約している際は、予め法要の料理の注文だというほかに、アレルギーについても伝えるようにしましょう。

そのためにも、案内状にはお斎に参加される方々のアレルギーの確認がとれるよう、アレルギーの記載部分も作ってください。

釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)
釋真慧 (浄土真宗 一乗寺)

精進になぞらえて肉魚を控えることも多いですが、浄土真宗においてはきまりごとはありません。

寿司がふるまわたり、イタリアンなど洋風料理をお斎として提供する機会も増えてきています。
参会者が楽しめ、故人を偲びつつ法要を締めくくれるのなら、料理に制約はなくてもよいです。

お斎の流れ

手順・流れ

お斎は故人の方を思い出しながら参列者の方々と漫然と食事を行うものではありません。

法要の一部に含まれるため、始まりの挨拶や閉めの言葉等が存在します。

以下に大まかな流れと内容を示します。

流れ 内容
施主挨拶(初め) 施主のお礼の挨拶
献杯 指名を受けた方の発声
合掌・黙祷 献杯の後すぐに行う
会食 黙祷後、施主側からの促しで始まる
施主挨拶(終わり) 施主がお開きを告げる

お斎の流れに関しては、こちらの記事も参照してください。

お斎での注意点

注意点をまとめると以下のようになります。

  • 「献杯」の声と共に参加者は飲み物の器を静かに上げ「献杯」と唱和し飲み干しう。
  • 器を高く掲げて縁を軽くぶつけあう乾杯の動作は行わない。
  • 献杯後は合掌と黙祷に入るため、すぐ料理に手を付けない。

次の項目では、それぞれの流れの中で言うべき言葉や挨拶について、例文等を踏まえて解説してきます。

お斎の献杯時・終了時の挨拶

挨拶

繰り返しになりますが、お斎は法要の一部であり、その時々で区切りの言葉を言うのが礼儀となります。

食事の席の言葉でもあるので、1分から2分程度で言葉を終えるようにしてください。
また、忌み言葉はなるべく避けるようにするのがマナーです。

お斎の初めの挨拶

施主や遺族の代表者による初めの挨拶が皮切りとなります。
含むべき事柄を以下に示します。

  • お斎の参加への感謝
  • 献杯の挨拶をいう方の紹介

仏事ではなく食事の席であるのであくまで肩の力を緩めつつ、故人の方との思い出話をしてほしい事も添えるのもよいでしょう。

例文


皆様、父の一周忌法要に足を運んでいただき誠にありがとうございました。
式(又は法要)も滞りなく終わり、父も喜んでいることと思います。

ささやかな食事ですが、父のことを共に様々な姿を笑顔と共に思い出して頂ければ亡くなった父も喜ぶと思います。
つきましては、会食前の言葉を◯◯様、よろしくお願い致します。

お斎の献杯時の言葉

施主が直接言う時もありますが、献杯前の言葉は施主以外の方が話すケースもあります。
施主側は予め依頼をし、許可をとるようにしてください。

もし、献杯前の言葉を言う事になったならば含むべき内容は以下になります。

  • 自分と故人の方の関係性
  • 故人の方への思い出と感謝
  • 最期に「献杯」

また献杯の言葉が入った後はしばし合掌・黙祷に入ります。
頃合いを見計らって、施主側が食事を促す言葉をかけた後に料理には箸をつけ始めます。

例文


ご紹介に預かりました◯◯です。
◯◯さんには上司として仕事のイロハを丁寧に教えていただきました。

仕事上のアドバイスだけでなく、こまめに私の悩みにも乗ってくださり、◯◯さんには感謝の念につきません。

未だ、この突然の悲報を信じられずにいますが、◯◯さんのご冥福を祈って献杯の挨拶とさせて頂きます。

献杯

お斎終了時の挨拶

食事を初めて2時間程経ったら、返礼品を配り、施主の方からお開きを告げます。
以下の内容を踏まえ、後の例文を参考に言うようにしてください。

  • 忙しい中法要(葬儀)にいらして下ったことへの感謝。
  • お開き後に返礼品を渡す場合はその旨をいう。

例文


この度は皆さまお忙しい中にも関わらず、足を運んで頂きありあがとうございました。

こうして最後までいらして下さったこと、皆様が語って下さった懐かしい思い出と共に父の姿をまた目に浮かべることができ、本当に感謝の念に堪えません。

未熟な私ではありますが、また何かあった際はよろしくお願い致します。

私どもから心ばかりですが渡したいものがございますので、お帰りになる際は受け取ってから帰るようにして頂けると私としても幸いです。

本日は誠にありがとうございました。

挨拶に関してはこちらの記事を参照してください。

お斎の参列者のマナー

マナー

今でこそお斎は会食の形をとっており肉料理やお酒が出されますが、あくまで法要の一部です。

苦手な物を残してしまったり、雰囲気を壊してしまうようなお酒を飲んで騒ぐのは持っての他です。

また、思い出話に花を咲かせる事も大事ですが、あくまで故人の方の話題に沿ったものにしましょう。

お斎のお招きは断わらないのが原則

法要後の会食は施主側が人々を事前に招いておき、その人数分の手配を行っています。

お斎に招かれたならば招かれた側は断らないのが原則です。
仕事等の都合上、欠席せざるを得ない場合は、なるべく早く欠席を施主の方や遺族に伝えておきましょう。

お斎を途中退席する場合

途中退席する場合も電話や案内状等を通じ事前に知らせておきます。

他の方々とは別に返礼品を受け取ったり、御膳を包んだりする手間もあるので、詳しい時間がわかり次第施主側に細かく伝えておきましょう。

退出する際は必ず下手にいらっしゃる遺族の方々に挨拶をしてから帰路に就きます。

席を立った際に周りの方々にも一言添えてから、遺族の方の所に向かうようにするとよいでしょう。

終わった後はすみやかに会場を出る

法要の後の会食は時間を指定して手配を行っています。
時に旧友との話が弾み、お開きの挨拶の後も語り続ける事もあります。

しかしながら、特に葬儀等が長引いた後の会食だと遺族の方の迷惑となってしまいます。

遺族の方の負担を少しでも減らす助けとなるよう、お開きの言葉の後はなるべく早く会場を出て下さい。

故人の方にとって喜ぶお斎となるように

この記事ではお斎について、マナーを中心に流れから挨拶の言葉まで様々なことを解説してきました。

繰り返しになりますが、お斎はただの人との会話を楽しむ食事ではなく、故人の方を振り返るためにある法要の一部です。

お酒があるとはいえ、大声で騒いだりして周囲の迷惑となるのはマナー違反であり、故人の方の供養にも繋がりません。

お斎は法要の締めにあたります。
喪主の方は滞りなく終わるよう準備を入念に行い、会食の席につく人々は席次や礼儀を守り、なるべく遺族の方の負担にならないようにしてください。

※ご住職様には数あるお寺のご住職の一人としてコメントをいただいております。
同一の宗教・宗派でもご住職によって多少の相違があることがあります。

みん終編集部

みん終編集部です! みんなの終活ドットコムでは、終活・ライフエンディング、葬儀のマナーやお墓選びなど、終活の知りたいに答えます!

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