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葬儀

【図解解説】一周忌ののしをお供え・お返し別に!書き方のマナーや水引も

皆さんは一周忌ののしについてご存知ですか?
「のし」は漢字で「熨斗」と書き、この漢字を考えてみると由来となる意味合いに近づくことができます。

ここでは、そもそも「のし」とは何かを含め、一周忌で用いられるのし、またその書き方についても紹介しています。

【図解解説】一周忌ののしをお供え・お返し別に!書き方のマナーや水引も

一周忌ののし(熨斗)とは

そもそも、「 のし 」は漢字では「 熨斗 」と表記され、祝儀袋などの右上にある飾りのことをさします。
漢字の表記を手がかりとすると分かりやすいですが、のしの由来は「 熨斗鮑 (のしあわび)」と呼ばれる食べ物に存在します。

熨斗鮑 とは、鮑(あわび)を熨(の)し、乾燥させて作られる保存食のことをさします。
鮑の肉を薄く剥いで干し、生乾きになったところを竹筒で押し伸ばし、その後も水洗い→乾燥→押し伸ばしのセットをなんども繰り返すことで作られるものです。

鮑は元来、 不老長寿の薬 などといった異名を持ち、長寿をもたらす食べ物とされてきました。
そのため、古くから長寿の象徴など 縁起物 として、お祝い事には欠かせないものとなっていきました。

そこから、熨斗鮑は神社や神棚へ供える 神饌 (しんせん)として伊勢神宮に奉納されたり、縁起物として贈答品に添えられていたものの、時間とともに簡略化されていき、本物の鮑の代わりとして黄色い紙が添えられるようになりました。
それが現在の「のし」なのです。

ここまででわかるように、本来のしとは慶事の際に用いられる飾りになります。
そのため、正確には弔事でのしを用いることはありません。

しかし、今では弔事に用いるかけ紙自体のことを「のし」や「のし紙」と呼ぶようになっているため注意が必要です。
この記事で表記する「のし」は、後者の弔事のものをさしています。

一周忌のお供え物ののしの選び方

ポイント

では、一周忌のお供え物に掛けるのし紙は、どのように選ぶのが良いのでしょうか。
同じ弔事用ののし紙であっても、風習の違いなどによって様々ですが、大まかには弔事用と慶事用さえ混同しなければ、大きな問題とはならないでしょう。

ここでは、のしを選ぶ際のポイントとなる以下の点について紹介します。

  • 水引の色
  • 水引の結び方
  • のしの掛け方

水引の色

49日以降の法要であれば、お供え物に用いるのしの水引の色は 双銀 のものが一般的です。

地域ごとの習わしとしては、関東地域であれば 双銀 もしくは 白黒 となっており、関東の一部地域では一周忌までの法要には 白黒 の水引を用いるといったところもあります。

対して、関西地域では49日以降の法要のお供え物に用いるのし紙の水引には 黄白 を、といったところが多くなっています。
地域の風習によって様々ではありますが、 双銀白黒 の水引を用いたからといって咎められることはないので安心してください。

双銀ののしの例(関東地方)

香典 双銀 表書きなし

黒白ののしの例(関東地方)

水引 黒と銀

黄白ののしの例(関西地方)

香典 白 黄色

水引の結び方

続いて、水引の結び方ですが、これには弔事独特の決まった結び方が存在します。
不幸なことが何度も起こらないように といった意味を持たせて、ほどけにくい形である 結び切り のものを用います。

のし紙の場合、水引が印刷されているものがほとんどでしょう。
のし紙を選ぶ際には、印刷されている水引の 結び方 に注目するようにしましょう。

のしの掛け方

では、用意したのしは、どのようにお供え物にかければ良いのでしょうか。
のしの掛け方には、 内のし外のし の大きく分けて2つのタイプが存在するため、場合によって使い分けるようにしましょう。

内のし

内のし とは、お供えの品物の箱などの上へ直接のしを掛け、さらにその上から包装紙などで包むという方法です。
方法からも分かるように、内のしには 控えめな印象 があるとされています。

それゆえ、一周忌などの弔事の法要は控えめに行うことが基本であるため、内のしを用いることも良しとされています。
特に お供え物を郵送する際 などは、のし紙が破れたり外れたりしてしまうのを避けるべく、内のしを選択することがほとんどです。

外のし

外のし とは、内のしとは対称的に、お供えの品物を先に包装紙などで包み、その上からのし紙を掛けるといった方法です。
一周忌などの弔事の法要で外のしを用いることのメリットとしては、 一目で誰から贈られた物か分かる という点が挙げられます。

一周忌の法要であれば、お供え物は仏壇や祭壇に供えられることが多いため、先ほどの点から外のしを用いるのも良いでしょう。
特に 直接家へとお供え物を持参する際 などは、外のしを選択することがほとんどです。

【図解解説】一周忌のお供え物ののしの書き方

お供え 御供 のし紙

一周忌のお供え物ののしには、その意味合いを指し示す言葉である 表書き贈り主の名前 を記載する必要があります。
このケースでは、のし紙の表書きへは「 御供 」を用いるようにしましょう。

表書きの下部には、 贈り主の名前 を書きます。
その際の名前は、 フルネーム苗字のみ◯◯家 などの記載方法がありますが、贈り先の方との関係性を鑑みて、分かりやすい表記を選択するようにしましょう。

夫婦の際には、夫の名前をフルネームで記載し、名前のみが連名となるように妻の名前を左へ添えると良いでしょう。
また、複数人で贈る場合、3人以下であれば連名で構いませんが、4人以上になる場合には代表者の名前をフルネームで記載した後に「 他一同 」などと添えます。

また、一周忌のお供え物ののしを書く際には、薄墨ではなく 濃墨 を用いる点には注意が必要です。

一周忌のお返しののしの選び方

香典返し

お返しにつけるのしの使い分けは、年忌のマナーとされています。
区分としては、大きく一周忌までと三回忌以降となります。

お返しにのしをつける際のポイントとしては、お供え物につけるのしと同様、 水引の色水引の結び方のしの掛け方 *が挙げられます。

一周忌までの法要でのお返しでは、水引の色は 黒白 もしくは 双銀 、水引の結び方は 結び切り を選択しますが、三回忌以降の法要でのお返しでは、水引の色は 青白 もしくは 黄白 、水引の結び方は同様に 結び切り とします。

のしの掛け方に関しては、上項で説明した参列者側から贈られるお供え物のケースと同様に判断して良いでしょう。
お返しを郵送される場合には 内のし で、直接渡して持って帰って頂く場合には 外のし を用いるようにします。

また、お返しの品を包む包装紙にも気を配りましょう。
包装紙の色合いは、白や黒やグレーなどの落ち着いた色合いのものや、青や緑などが好ましいとされており、仏式の場合には菊の模様など控えめな柄が入ったものなども良いでしょう。

【図解解説】一周忌のお返しののしの書き方

のし紙 志 香典返し

一周忌のお返しののしでも、お供え物と同様、その意味合いを指し示す言葉である 表書き贈り主の名前 を記載する必要があります。

このケースでは、のし紙の表書きには「 」もしくは「 粗供養 」を用いるのが一般的ですが、岐阜県では「 茶の子 」が用いられたり、岐阜県や愛知県周辺では「 一周忌志 」が用いられたりと、地域によっても異なります。

用いる表書きについて不安な場合には、あらかじめ家族や親族、ご近所の方などに確認しておくようにしましょう。
なお、「 会葬御礼 」の表書きが使えないことには注意が必要です。

のし紙の下半分へは、贈り主の名前を記載します。
贈り主とは、一般的に喪主や法要を行った家のことをさし、記載方法としては 喪主のフルネーム喪主の苗字 もしくは ◯◯家 などがあります。

また、一周忌のお返しののしを書く際にも薄墨ではなく 濃墨 を用いるため注意しましょう。

【コラム】他宗教での一周忌ののし

ここでは、神道やキリスト教における一周忌ののしについて紹介します。

神道での一周忌ののし

神道での一周忌ののし紙は、基本的に仏式の場合と変わりません。
水引の色は 黒白 もしくは 黄白 (関西地域など)で、本数は 5本 、結び方は 結び切り もしくは あわじ結び のものを用います。

しかし、会葬御礼の場合であっても、お供えや香典へのお返しの場合であっても表書きは変わらず、「 」の他に、「 今日志 」や「 偲び草 」を用いるのが一般的となっています。
仏式の場合に、関西地域を中心として用いられることのある「 粗供養 」は、「供養」という言葉自体が仏教ならではのものであるため用いません。

のし紙の下半分へ記す、名前の記載方法は仏式と同様です。

キリスト教の一周忌ののし

キリスト教では、カトリック・プロテスタント区別なく没後1年の節目を盛大にお祝いするのが特徴的です。
カトリックの場合には「 追悼ミサ 」と呼ばれ、プロテスタントの場合には「記念式」といった呼ばれ方をします。

キリスト教でもお返しは存在しますが、それはあくまでも日本のキリスト教独自の物となっており、のし紙の選び方も仏式や神式と大きく異なりません。
のし紙の水引の色や本数、結び方は先ほど紹介した神道のケースと同様です。

しかし、表書きについては、「 」や「 偲び草 」に加えて「 感謝 」などを用いることがあります。
のし紙の下半分へ記す、名前の記載方法は仏式や神式と同様です。

マナーを守った一周忌ののしを

ここでは、一周忌ののしにまつわる知識を様々紹介してきました。
一言に「一周忌ののし」と言っても、参列者側が持参するお供え物にかけるのしと、遺族側が用意するお返しにかけるのしで区別されることを知らなかった人は少なくないのではないでしょうか。

多少ややこしくなってはいますが、古くから存在する日本の習わしである「のし」について、正しい知識を持って扱いたいものです。
皆さんも、一周忌ののしについて、是非この記事を参考にしてみてください。

みん終編集部

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