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【専門家監修】永代供養墓のメリット・デメリット、費用は?墓じまいとの違いも解説

最近頻繁に取り上げられるようになった永代供養墓について、その特徴、メリット・デメリット、費用、墓じまいとの違いも解説します。
墓石の建立を必要としない(※個別墓・夫婦墓を除く)柔軟なスタイルの永代供養墓を検討されてみてはいかがでしょうか。
本記事では、永代供養墓にまつわる疑問点について、終活アドバイザーの渡邊松枝氏に監修していただきました。

【専門家監修】永代供養墓のメリット・デメリット、費用は?墓じまいとの違いも解説

永代供養墓の特徴

永代供養墓とは、 家族や子孫に代わって寺院や霊園が一定期間遺骨の管理・供養を行う埋葬方式 のことです。
ご遺骨は一定期間がすぎると合祀墓に移されます。

跡継ぎの方や、面倒を見てくれる方がいなくても無縁仏になることがないので、少子高齢化が進む近年その人気が上昇しています。

遺骨の埋葬方法としては 一人用、夫婦用、家族用 などがあります。

永代供養と墓じまいの違い

墓じまいとは 遺骨を他の場所に移動させて、もとのお墓を閉めること を意味します。
遺骨の移動先としては他の場所のお墓、永代供養墓があります。

永代供養墓に遺骨を入れるときは、先祖代々の遺骨も一緒に移動させます。
そして、以降の管理・供養を寺院・霊園に任せます。

簡単に言えば、 墓じまいとはお墓のお引越しとその処理 であり、 永代供養とは専用のお墓にお引越し後に供養を寺院に任せるという形態 のことを指します。

墓じまいして永代供養墓に遺骨を移すには、墓地の管理者に改葬の申告をしたり、役所に書類を提出したりすることが必要です。

墓じまいについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

永代供養墓に墓じまいをしてから遺骨を入れる手続き

ここでは手続きを6項目にまとめて紹介します。

  1. 受入証明書を発行してもらう
  2. 改葬許可申請書を入手する
  3. 埋葬証明書を発行してもらう
  4. 改葬許可証を発行してもらう
  5. 「魂抜き」後、墓じまいをする
  6. 永代供養墓に納骨、魂入れ

手続き①:受入証明書を発行してもらう

新規受け入れ先に受入証明書を発行してもらいます。
受入証明書の申請書は移転先の管理者が指定したものを使用します。

手続き②:改葬許可申請書を入手する

現在お墓のある市区町村役場から「改装許可申請書」を入手します。

手続き③:埋葬証明書を発行してもらう

現在お墓のある管理者に「埋蔵証明書」を発行してもらい、「改装許可申請書」に署名、押印してもらいます。

手続き④: 改葬許可証を発行してもらう

現在お墓のある市区町村役場に「受入証明書」「改装許可申請書」「埋蔵証明書」を提出し、「改葬許可証」を発行してもらいます。

手続き⑤:「魂抜き」後、墓じまいをする

魂抜き(閉眼法要)をしてお墓から故人の魂を抜き出す儀式をした後、お墓を解体・撤去します。

手続き⑥:永代供養墓に納骨

永代供養にかかる初期費用を払い、永代供養墓に納骨します。

墓じまいして永代供養にする手順は以下の記事をご覧ください。

渡邊松枝
渡邊松枝

Q:浄土真宗では永代供養はしないと聞きましたが本当ですか?

A:本当です。
浄土真宗には永代供養という概念はありません。

ただし、浄土真宗の宗派の方でも「跡継ぎがいなくて困っています」等、お寺に相談すれば対応してくれることがあります。

永代供養墓の種類

永代供養墓は大きく2種類に分けられます。

  • 合祀型永代供養墓
  • 個人墓つき永代供養墓

種類①合祀型永代供養墓

このお墓は初めから多くの人たちと共に共同のお墓に入ります。

埋葬後は全ての供養を墓地や寺院が引き受けてくれるため、遺族の負担がかかりません。

価格の相場は、 10万円〜30万円 程度で比較的安価で購入できます。

注意点として、このタイプのお墓は埋葬後、遺骨を取り出すことができないことが挙げられます。
一旦取り出すとなると他の方の遺骨も取り出すことになってしまうからです。

種類②個人墓つき永代供養墓合祀型永代供養墓

このお墓は、 初めは一般的なお墓のように一人または夫婦でお墓に入り、その後お墓の使用期限を過ぎたのちに合祀される タイプのものです。

お墓の使用期限内の間は、その人達だけのお墓のため、遺族が手厚く供養することができます。

また、使用期間終了後は合祀型と同様に墓地や寺院が供養を引き受けてくれます。

価格の相場は 30万円〜200万円 程度と合祀型よりもかなり値段は高くなってしまうのですが、 お墓参りの際に故人と一対一で対話しているという実感が合祀型よりも強く感じられる のは確かです。

30万円〜200万円というようにこのタイプのお墓は価格幅がとても広くなってしまいます。

その要因としては主に以下の5つが挙げられます。

  • 立地
  • お墓の種類(墓石、納骨堂など)
  • 個別のお墓の使用期間(17回忌まで、33回忌までなど)
  • 個別のお墓の広さ
  • 墓石の大きさ、デザイン

永代供養墓のメリット

永代供養墓にするメリットは以下の通りです。

  1. 無縁仏にならない
  2. 宗派を原則問わない
  3. 墓石を建てるより低コスト
  4. 立地がよいところが多い
  5. 生前購入が可能

永代供養墓のメリット①無縁仏にならない

近年はおひとりさまやお子様のいないカップルも増えています。
お墓の後継ぎがいない方でも、寺院や霊園が責任をもって供養してくれるので 無縁仏になる心配がありません。
(無縁仏とは、供養する家族や子孫がおらずさまよっている霊魂を指します。)

また、後継ぎがいても迷惑をかけたくないといった理由で永代供養墓を選ばれる方もいらっしゃいます。

永代供養墓のメリット②墓石を建てるより低コスト

永代供養墓は永代供養料、お布施(納骨法要等)、刻字料を初期費用として支払えばその後の管理費やお布施代がかからないところが多く、お墓を建てるより 低コスト です。

永代供養墓のメリット③宗派を原則問わない

基本的に宗派を問わず受け入れくれるので、一般のお墓を建てるときのように 檀家になる必要がありません。

※寺院によっては檀家になる必要があるところもあるのでご注意ください。

檀家については以下の記事で取り上げています。

永代供養墓のメリット④立地がよいところが多い

一つ一つの遺骨が有するスペースが少ない分、空間を有効活用することができるので多くの遺骨を安置することができます。

遺骨の数が多くなるということは、それだけ施設にお金が入り、その分地価の高い都心部などアクセス良好なところに永代供養墓を設けることができます。

参拝者にとっても アクセスの良い環境で参拝が可能になる メリットがあります。

永代供養墓のメリット⑤生前購入が可能

生きている間にじっくり検討して好みの永代供養墓を選ぶことができます。
また、 生前購入することで、亡くなった後遺族にかける負担を軽減できます。

永代供養墓のデメリット・注意点

  1. 遺骨を取り出せない
  2. 家族・親戚の理解を得られないことがある
  3. 個人墓・夫婦墓を選んでも、一定期間をすぎれば合祀墓に入る
  4. 好きな場所に埋葬できない

永代供養墓のデメリット①遺骨を取り出せない

先ほど永代供養墓の種類の部分でも述べましたが、永代供養墓に納骨した場合、合祀されてしまうと遺骨を取り戻せません。

永代供養墓のデメリット②家族・親戚の理解を得られないことがある

見ず知らずの方と同じお墓に遺骨をいれるということに抵抗がある方もいらっしゃいます。
御本人が永代供養墓を望んだとしても、家族や親戚から反対されることもあります。

比較的新しいタイプの埋葬方法なので、家族や親戚に伝統を重んじる方がいらっしゃる場合はしっかりと話し合いをする必要があります。

永代供養墓のデメリット③個人墓・夫婦墓を選んでも、一定期間をすぎれば合祀墓に入る

顔見知りでない方と同じお墓に入ることに抵抗がある方は、ご自身やご夫婦だけで永代供養をすることも可能です。

ただし、多くの場合は三十三回忌など期限が設けられており、その期間をすぎると合祀墓に入って他の御遺骨と一緒になります。

永代供養墓のデメリット④好きな場所に埋葬できない

永代供養墓は個人墓・夫婦墓を除いて、基本的には決まった場所に埋葬されるのでご自身の好きな埋葬場所を選ぶことができません。
また、お墓を建てるよりも遺骨安置スペースは狭くなります。

永代供養墓の購入がおすすめな人

では永代供養墓の購入がおすすめな人はどのようなタイプなのでしょうか。

  1. お墓の後継者がいない方、子孫の負担を減らしたい方
  2. お墓の伝統に対するこだわりが少ない方
  3. 一人または夫婦だけでお墓に入りたい方

①お墓の後継者がいない方、子孫の負担を減らしたい方

成仏するまでの間、寺院や霊園が責任をもって管理・供養してくれるので後継者がいなくても、または後継者の手を借りなくても大丈夫です。

②お墓の伝統に対するこだわりが少ない方

個人墓・夫婦墓でない場合は基本的に墓石を建立しません。
また、どの種類の永代供養墓を選んでも、一定期間がすぎれば見ず知らずの方と同じお墓に入ることになります。

ですので、先祖代々のお墓を守っていきたいという方にはおすすめできません。

お墓の伝統に対するこだわりよりも、管理・供養をしてもらうという保証や、埋葬の費用面を重んじる方におすすめです。

③一人または夫婦だけでお墓に入りたい方

先ほど少し触れましたが、一般的なお墓だとご先祖様と同じお墓に入ることになるのに対し、永代供養墓は一人または夫婦用のお墓のため、一人だけでお墓に入りたい方、夫婦だけで入りたい方におすすめです。

渡邊松枝
渡邊松枝

Q:永代供養墓でも年間管理費を要求する施設はありますか?

A:管理費はほとんどの場合初期費用に含まれていますが、全ての施設がそうであるとは言いきれません。
契約時の注意書きをよく読みましょう。

なお、永代供養墓を生前契約をする方は年会費・維持費を支払う場合があります。
立地や施設など好条件な永代供養墓ほど高い傾向にありますが、一般的に年間数千円程度です。

永代供養墓の費用内訳

永代供養墓では以下の3種類のお金を初期費用として払います。

  1. 永代供養料
  2. お布施(納骨法要用)
  3. 刻字料

永代供養墓の費用内訳①永代供養料

簡単に言えば、お墓の管理・供養代です。
永代とは長い期間という意味で、永遠ではありませんので注意してください。

三十三回忌までの管理・供養が主流です。

永代供養料の相場については以下の記事をご覧ください。

永代供養墓の費用内訳②お布施(納骨法要用)

納骨する時に行う儀式に関わる費用です。
金封袋に入れて寺院にお布施として渡します。

永代供養墓の費用内訳③刻字料

故人の名前を刻印する代金です。

渡邊松枝
渡邊松枝

Q:49日法要、一周忌法要等を行う時は永代供養墓にしたお寺と同じところにするべきですか?

A:必ずしも同じお寺でやる必要はありません。
例えば自宅に住職を呼んで読経してもらい法要を行うこともできます。
法要する際はご遺骨はなくても大丈夫です。

契約を交わす際に供養の形式・頻度については必ず説明があります。
施設が行う合同の法要に参加するという方法もあります。

永代供養ですので、必ず法要に参加しなければいけないという訳ではありません。

逆に、個人で追加で法要を行ってはいけないということもありません。
個人で法要を行う際は前もって早めに施設に相談しましょう。

永代供養墓の選び方・チェックポイント

永代供養墓を購入する際に確認すべきポイントを6つにまとめたのでぜひ参考にしてみて下さい。

  1. 交通の便はよいか?
  2. 初期費用以外にお金はかかるか?
  3. 葬儀社は信頼できるか?
  4. 供養はどのくらいの頻度で行われるか?
  5. 永代供養の期間はどのくらいか?
  6. 個人での法要をお願いができるか?

チェックポイント①交通の便はよいか?

定期的に遺骨を参拝するためには アクセス良好 であることが重要です。

電車やバスを利用して行けるところなのか、車で行く場合は近くに駐車場があるところなのか、など無理のない範囲で参拝をしに行ける場所を選びましょう。

チェックポイント②初期費用以外にお金はかかるか?

基本的には一度初期費用を払えばその後の管理料は発生しないところが多いですが、寺院・霊園によっては維持費や管理費が必要になります。

事前に確認しておきましょう。

チェックポイント③葬儀社は信頼できるか?

葬儀社のスタッフは、本人にとってもご家族にとっても大変重要なイベントであるライフエンディングに直接関わります。

信頼できる、この人達に任せたいと思える会社を選びましょう。
そのために係の方々と直接お話ししてみるのも大切です。

チェックポイント④供養はどのくらいの頻度で行われるか?

施設によって供養の頻度は様々です。
お彼岸・お盆の時期、月に1回、年に1回など寺院・霊園ごとに大きく異なります。

契約前に必ず頻度を確認して、後悔のない施設を選びましょう。

チェックポイント⑤永代供養期間はどのくらいか?

「永代」とは永遠ではなく、長い期間という意味です。
施設によって3回忌まで、7回忌までまで、17回忌まで、33回忌まで...と様々です。

当然管理・供養してもらう期間が長いほど費用も高くなります。
経済的な状況を考えた上で、納得できる十分な期間にわたって永代供養をしてもらえるか確認しましょう。

チェックポイント⑥個人での法要をお願いができるか?

永代供養墓を選択した場合、個人で開催する法要は必須ではありません。
しかし、個人的にも法要を行いたいという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

施設が行ってくれる法要以外に追加で法要をしたい方は、施設に法要用の設備がついてるか、会食するスペースがあるか、などを確認しておきましょう。

また、法要を行う際の会場使用料も聞いておくとよいでしょう。

永代供養墓にお墓参りする時

永代供養でもお墓参りは可能です。
お墓参りの際は華美な服装・露出の多い服装をしないように気をつけてください。

個人墓・夫婦墓では通常のお墓と同様にお墓参りができます。

合祀墓では見ず知らずの方の遺骨も一緒に埋葬されるので、ある特定の方の遺骨のみを取り出して参拝することはできません。
代わりに記念碑や塔といったモニュメントにお参りすることになります。

納骨堂 には自動搬送式、ロッカー式、仏壇式といった様式があり、基本的には 個別の遺骨にお参りをすることができます。
お供え物もできるところがほとんどですが、生ものは帰る時に必ず持ち帰るといったことが必要です。

樹木葬では、動きやすい服装をすることが重要です。
また、山火事の危険があるため線香はあげないようにしましょう。

お墓参りについて以下の記事を参照してください。

永代供養墓の特徴を押さえて納得のいく選択を

永代供養墓とはお墓の建立にこだわらない新しいスタイルの埋葬方法です。良い点、悪い点をおさえて、ご自身にぴったりの選択をしてください。