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相続

復氏届とは?手続き方法や相続権利!旧姓に戻すメリット・デメリット

皆さん、復氏届というものをご存知でしょうか。
初めて聞いたという方もいらっしゃることと思います。

復氏とは、旧姓に戻すことを指します。
離婚や配偶者が亡くなった際に復氏を選択する方がいらっしゃいます。

今回の記事では、そんな復氏の手続き方法や相続に影響するのかなどをお届けします。

復氏届とは?手続き方法や相続権利!旧姓に戻すメリット・デメリット

復氏届とは

復氏

復氏とは「氏」を「復」する(戻す) ことを指します。

つまり、 結婚や養子などで変更した苗字を昔の旧姓に戻すこと です。

行うケースは以下の3つが挙げられます。

  • 離婚・離縁
  • 未成年
  • 配偶者との死別

離婚・離縁

初めに結婚によって氏を変更した方についてです。

日本では、結婚した夫婦は同氏にすることが法律で規定されています。
最近では、仕事上の都合のため結婚後も氏を変更せずに使用する方がいらっしゃいますが、戸籍上では同氏でなければいけません。

夫婦の多くは、女性の氏を変更することが多いので離婚時に復氏される方は必然と女性が多いです。

離婚した場合、原則として氏を変更した側の方は復氏されます。
ただし、離婚後3か月以内に届を出すことで、結婚時に使用していた氏を使用することができます。

例えば、結婚する際に女性が夫側の氏に変更したとします。
離婚すると女性は旧姓(結婚前の氏)になります。

ただし、離婚後3か月以内に「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を役所に提出することで結婚時の氏(夫の氏)のまま使用することができます。

次に、養子となり氏を変更した方についてです。
離縁した場合も、原則として養子以前の氏に戻ります。

ただし、養子であった期間が7年以上経過している方が離縁を行った場合、離縁後3か月以内に届を提出することで、養子時の氏を使用することができます。

未成年

次にここでの未成年とは、両親の離婚によって、未成年の子どもが父親もしくは母親の氏に変更した場合についてです。

子どもの意思次第で復氏可能です。
ただし、子どもが20歳になってから1年以内です。

配偶者との死別

最後に配偶者と死別された方についてです。
先ほど述べました通り離婚や離縁では、勝手に復氏となります。
対して、配偶者の死別ではそういったことはありません。

自身の意思次第で選択可能です。

復氏を選択する場合に、復氏届を提出します。
今回の記事では、配偶者との死別による復氏を中心に見ていきます。

復氏届

先ほど述べました通り、 復氏届とは復氏を行う際に役所に提出する書類 のことです。
離婚・離縁の場合と異なり、自身の意思で復氏届の提出を行わない限り、復氏は行われません。

故人の死亡届が受理され次第、提出することができます。
すぐ行うこともできますし、数カ月、数年後でも問題ありません。

姻族関係終了届との違い

復氏届とよく間違えられやすいのが 姻族(いんぞく)関係終了届 です。
姻族 とは、 婚姻によってできた親族 のことです。

姻族の例を挙げますと、舅(しゅうと)や姑(しゅうとめ)です。
離婚の場合、姻族とは関係は解消されます。

一方、配偶者が死別した場合は姻族との関係は解消されません。
配偶者が死別した際に、役所に提出することができます。

いつまでといった期限はありません。

姻族関係終了届を出すと姻族に対する義務などが解消されます。
例えば、配偶者の両親の介護などを行っていた場合ですと、介護の義務がなくなります。

配偶者との親との関係が悪化しているなどの理由で、関係を終わらせる選択を選ぶ方もいらっしゃるそうです。

「死別離婚」とも呼ばれます。

あくまで複氏届は旧姓に戻すためのものです。
全く異なります。

ちなみに、よく勘違いするのが一緒に相続権も無くなると考えることです。

姻族関係を終了した場合でも、生存配偶者の相続権は残ります。

復氏届の手続き方法

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復氏届を役所に提出する際の手続きについて見ていきます。
復氏届の手続きと聞くと、「大変なもの」をイメージするかもしれません。

手続きを紹介する前に初めに言っておきますが、そんなに難しいものではありませんので構える必要はないです。

各項目に分けてご紹介します。

  • 届出先
  • 届出人
  • 必要書類

届出先

届出先は以下の2つのどちらかに提出することができます。

  • 本人の本籍地
  • 現在の住居地の市区町村役所

届出人

届出人は 本人のみ です。
代理で提出はできません。

必要書類

復氏届を提出する際に必要書類は以下の3つです。

  • 本人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • 印鑑

最近では戸籍謄本と呼ばず、戸籍全部事項証明書などと名称が異なることもあります。

復氏届を提出すると、死別した配偶者の戸籍から届出人が消されます。
戸籍から消された場合は以下の2つの選択肢があります。

  • 新しい戸籍にする
  • 実家の戸籍に入る

新しい戸籍にすると自身の好きな場所を本籍地にすることができます。
一方、自身の実家の戸籍に入る場合は上の必要書類に加えて、実家の戸籍謄本が必要となります。

復氏届を出した場合の相続

お金

復氏届を提出すると、「相続はなるの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

復氏届を出した場合の相続に関してご説明します。
結論から申しますと、 復氏したとしても相続に影響はありません。

残った配偶者が復氏届を出したとしても、相続権を所有し続けます。

また、姻族関係終了届を出したとしても相続権を持ちます。

相続権が残るなんて「ラッキーなこと」と思ったかもしれませんが、そうとも言えません。

例えば、故人が負債を抱えていた場合です。
復氏届や姻族関係終了届を出しても、残った配偶者には負債がふりかかります。

ではその場合、配偶者は負債を抱え続けなければいけないのでしょうか。
相続権は放棄することができます。

相続の放棄

相続は以下の必要書類のもと、家庭裁判所に受理されることで放棄することができます。

  • 故人の戸籍謄本
  • 個人の戸籍の附票
  • 放棄する人の戸籍謄本
  • 相続放棄申述書

提出際には故人の最終住所地の家庭裁判所です。
詳しくは、弁護士などにご確認ください。

復氏届のメリット

メリット

復氏届を提出する選択肢としてどのようなメリットがあるのでしょうか。
主なメリットが以下の点です。

  • 新しいスタートとなる
  • 自身の親と住む場合に便利
  • 再婚の場合

新しいスタートとなる

最初のメリットとして挙げられるのが、残された配偶者の新たなスタートとなることです。

名前を変更することは、そう簡単な気持ちで行えるものではないと思います。
中には、最愛の配偶者を失った経験から死生観が変化した、という方も多くいらっしゃいます。

大切な人を失う悲しみや辛さはあるものの、現実を受け止め一歩踏み出そうとする方もいらっしゃいます。

復氏は、心を入れ替えて再出発するきっかけになりうるのです。

他には、姻族とのトラブルが原因で復氏を選ぶ方もいらっしゃいます。
そういった関係を断つきっかけとなります。

自身の親と住む場合に便利

自身の親と同居する場合は、復氏届を提出した方が便利になることもあります。
同じ家ですと、表札が異なったり契約の際に面倒だったりといったことが考えられます。

親と同居する場合は、同じ名前にすることで楽となることもあります。

再婚の場合

以前に結婚しており、その後再婚相手が亡くなった場合です。
復氏すると、現在の氏や過去の旧姓のどれかから1つを選択することができるのもメリットです。

復氏届のデメリット

デメリット

復氏届のメリットについて見てきました。
メリットの一方でデメリットもあります。

復氏届のデメリットは以下の3点です。

  • 子どもの氏と異なる
  • 周りからの目
  • 名義変更

子どもの氏と異なる

復氏届を提出した場合に復氏できるのは提出者本人だけです。
子どもは、死別した配偶者の氏のままとなりますので、子どもと氏が異なってしまいます。

子どもが未成年の場合は、一緒に変更される方が多いです。
その場合、子どもの氏を変えるのに別の手続きが必要となります。

下に未成年者の氏の変更をご紹介します。

未成年者の氏の変更

未成年者の氏を変更したい場合は、家庭裁判所の許可を得なければいけません。
未成年者の住居地の家庭裁判所に申し立てを行います。

申し立てには以下のものが必要となります。

  • 申立書
  • 子(未成年者)・父・母の戸籍謄本

家庭裁判所の許可が得られたら、役所に入籍届を提出します。

周りからの目

次に挙げられるデメリットが、周りからの目です。
先ほども述べましたが、配偶者が死別した場合の復氏は、あくまで残された配偶者の意思によって行われます。

日本人の印象として、氏は一族を象徴するものです。
「氏が異なる」=「離婚した」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

そのため、「氏が異なる」=「家が異なる」と周りからは捉えかねません。
また、復氏届を出したところで姻族との関係は絶えることはありません。

姻族からすると、「なぜ復氏したの?」と不愉快に思われても致し方ありません。
今後も姻族との関係を保つことをお考えの場合は、むやみに復氏することはお勧めできません。

名義変更

最後のデメリットの名義変更が必要となる点です。
復氏するということは、名前が変わるということです。

名前が変われば、必然的に名義変更が必要です。

名義変更を行うものとしては、クレジットカードや銀行口座、運転免許証など数多くあります。

変更するには手間や時間がかかりますし、中には費用がかかるものまであります。

次で詳しくご紹介します。

復氏届を出した場合の注意点

ポイント

上で述べました通り、復氏届を提出すると名義変更などの手続きが必要となります。
名義変更が必要となる一般的なものを以下に示します。

  • 国民年金
  • 国民健康保険
  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 銀行口座・クレジットカード
  • 保険
  • 携帯電話やインターネット
  • ガス・電気・水道などの公共料金
  • 国家資格などの資格系

クレジットカードなどでしたら、名義変更を忘れても利用停止などには特になりません。

ただし注意してほしいのが、マイナンバーカードです。
マイナンバーカードは名前変更を行った場合、 2週間(14日)以内に役所に届け出が必要です。

もし届け出を忘れてしまった場合、マイナンバーカードは身分証明書として無効となります。

会社に勤めていらっしゃる方でしたら、会社に届け出なければならないこともあります。

他にも必要となるものがある可能性がありますので十分注意し、確認しておきましょう。

復氏という選択肢

復氏届に関して、相続やメリット・デメリットなどを見てきました。
復氏することは、周りや姻族などから冷たい目で見られかねません。

そういったこととの関わりを考えてうえで慎重に選択することをお勧めします。

一方で、復氏を行うことで心を入れかえ新たなスタートとなった方も多くいらっしゃいます。

配偶者を失う悲しみは計り知れませんが、復氏を1つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

みん終編集部

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