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葬祭扶助とは?対象者や支給金額、葬儀内容まで!注意点も解説

遺族が生活保護を受給している際や受給していた人の葬儀を遺族以外が実施する際、葬儀の費用を自治体が負担する「葬祭扶助制度」を受ける事が出来ます。

今回の記事では葬祭扶助の概要から葬祭扶助の申請方法、対象者となる条件や支給金額、そして葬祭扶助を行う際の注意点まで多岐にわたって紹介していきます。

葬祭扶助とは?対象者や支給金額、葬儀内容まで!注意点も解説

葬祭扶助とは

男性 法律

経済的に困窮した遺族が葬式に伴う金銭を出す事が厳しい際に、費用の負担者が国となる制度です。

基準としては主に生活保護を受けている遺族に支給されます。
以下のように定められています。

葬祭扶助の法的概要

葬祭扶助は、困窮ゆえに最低限度の生活までもままならない人に対し費用を負担する制度 です。

葬儀を行う意思を示す遺族がいない時、以下の条件を満たしている際、遺族の代理として葬儀を仕切る人間側が葬祭扶助を受給する事が出来ます。

葬祭扶助の対象

疑問

この制度の対象となるための条件としては、大きく2つに分けることが出来ます。

①遺族が経済的に厳しい状況の場合

基本的に葬祭扶助の受給判断の基準としては金銭面での不足、生活の困窮具合で定められます。

ゆえに、費用の捻出が不可能と判断される際の一種の基準として生活保護の受給状況が挙げられます。

しかし、この判断において重要なのはあくまで 遺族側の経済状況 です。

たとえ故人が生活保護の対象者であっても、遺族が収入や資産がある場合には、先ほどの条件のもと扶助を受ける事が出来ません。

本来は担当者が申請者の状況を調査し、その結果に基づいて扶助をするかどうか判断します。

しかし、実際に遺族の困窮状態について判断するのは、各自治体や担当者によっても判断に差が生まれてしまう恐れがある為、生活保護の受給有無を判断基準とするのが実情です。

②故人に扶助義務者がおらず、遺族以外の人が葬儀を行う場合

この事例の主な具体例としては以下の二つが挙げられます。

  • 故人が生活保護を受けている
  • 故人の遺こされた金品などで葬式費用をまかなう事が厳しい

なお、後者に関してはまかなえない、足りない部分のみ支給となります。

上記の通り、この内容も第18条に記載されています。

  • 故人が生前生活保護の受給対象者であり、その方の葬儀を行うべき扶養義務者が不在の場合
  • 葬儀を行う扶養義務者が不在であり、故人の遺した金品だけで葬儀費用をまかないきれない場合。

上記を満たしていれば、代理人側が扶助を受ける事が可能です。

葬祭扶助で支給金額と葬儀内容

お墓掃除代行 費用

この項目では支給金額と実際の内容面に関しての説明を以下順で行います。

  • 金額限度
  • 実際の流れ
  • 適用される品代

金額の限度

この制度を用いて受け取れる金額には限度があります。
基準額は次の通りです。(平成28年度)

大人 子供
1級地、2級地 20万6000円以内 16万4800円以内
3級地 18万300円以内 14万4200円以内

※  級地:生活保護による扶助を行う際に、地域ごとの生活様式や立地に応じて生じる物価、生活水準の差を扶助に反映する制度。
級地の数字が小さくなるにつれ、そこに含まれる地域は物価や水準が高い地域である事になります。

自治体や職員の判断で多少金額は異なりますが、基本的にはこの基準の範囲以内で支給されます。

葬儀の内容

葬儀会場

実際の内容に関して以下の二点から説明を行ってきます。

  • 流れ(手順)
  • 適用される品代

①流れ

葬祭扶助の利用して行える葬式は「直葬」と呼ばれる形式 です。

他にも「民生葬」、「福祉葬」等というように幾つもの呼び名が存在しますが、共通して通夜や告別式を行わず、火葬のみの形式です。

実際の手順としては以下の通りです。

内容
安置施設まで搬送
安置(火葬日まで)
納棺、火葬場まで搬送
火葬し、遺骨を骨壺に納める

②葬祭扶助が適用可能な品代

依頼先の会社で差異はありますが、適用されるのは下記の事項です

  • 寝台車
  • ドライアイス、安置料(遺体保存代)
  • 霊柩車
  • 棺用布団
  • 骨壷、骨箱
  • 火葬料
  • 文書作成代(死亡診断書、死体検案書)
  • 遺体保存代(ドライアイス、安置料)
  • 枕飾り
  • お別れ用の花束
  • 火葬料
  • 仏衣一式
  • 白木位牌
  • 自宅飾り一式

なお、葬祭扶助を適用した元で、僧侶の読経に対するお布施、会場へ供花を出す、祭壇を華やかに飾る、などの 必要最低限の費用を上回るような形態のプランはできません。

制約が存在する事も頭に入れて置いて下さい。

葬祭扶助の注意点

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以下の三つが主です。

  • 家族葬は選択できない
  • 香典の受け取りは可能
  • 葬儀社選びが重要

以降で詳細な解説を行ってきます。

家族葬は選択できない

上記でも述べてきた通り、葬祭扶助を受給した上で行う際は火葬のみになります。
その為、 家族葬は行う事が出来ません。

家族葬というのは、家族や親戚のみで行う葬儀の事で、近年需要が高まっています。

そんな人気のある家族葬は参列者が少ない為、一見安く済むように見えますが、内容は一般葬と変わりません。ですので、実施するのに平均50万円程の金銭がかかります。

ゆえに家族葬は葬祭扶助受給の範囲外、支給される金額は大人の場合約20万のため、行う事が出来ないのです。

家族葬に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

香典は受け取りは可能

頂いた香典は受け取る事が可能です。

さらに香典に包まれている金銭は収入認定外扱いとされるため、 報告する必要もありません。

ですが、香典返しに関する事項は範囲外のため、自費で賄います。

葬儀社選びが重要

葬祭扶助を受給した元でも、実際に行う際には葬儀社の方に依頼して準備をします。
一般葬と同様、会社を選ぶのは取り仕切る側の意向が尊重されます。

しかし実際に選ぶ際に会社側の担当者が知識を持たない等の理由で、 葬祭扶助の申請した際に断りを受ける、ないし雑な対応を行う会社も少なからず存在します。

また、似たトラブルの事例として葬祭扶助と一言出した途端に会社側の態度が酷くなったという事例もあります。

上に述べたような問題も少なからずあるのが葬祭扶助ですが、通常の葬儀と同様、会社の選定は重要です。

葬儀の準備に関しては想像以上に困難です。
費用面だけでなく、プラン内容が充実した会社を選ぶのも一つの手です。

葬祭扶助の申請方法

手続き

葬祭扶助を受けようと考えた場合は、まず福祉事務所に向かいます。

この際、故人が亡くなった地域の事務所ではなく、申請者が在住している地域の事務所で行って下さい。

たとえば死亡地が千葉県であっても、申請者が新宿区在住なら新宿区の福祉事務所で行うという事です。

必ず扶助の申請を葬儀前に忘れずに行う必要があります。

なぜなら、葬祭扶助の支給には、以下の順序を踏まえるためです。

内容
会社側が見積り算出
福祉事務所への提出
内容項目の調査
福祉事務所から会社側へ支払い

最後の項目にあるように、金銭事項のやりとりは会社側と福祉事務所で完結するため、生活費等で費用を予め補填した後での申請では、支払いに関する余裕があるとみなされてしまい、その判断のもと葬祭扶助の受給を認めてもらえない可能性が出てきてしまいます。

身寄りのない生活保護者の葬儀

葬儀

故人に身内の方が居れば葬儀を行ってもらう事が出来ますが、身寄りの方が居ない方も存在します。

その場合、法律上、墓地埋葬法が適用され、直葬となります。
以降で詳しく説明を行います。

墓地埋葬法

「墓地埋葬法」には、「死体の埋葬、火葬を行う者が居ない場合、死亡地の市町村がこれを行う」という旨が記されています。

遺族や身内に関わらず、第三者が自発的に故人の葬儀を行う意思を示した際は、葬祭扶助受給の申請を行う権利が認められます。

ですが、行う意思を誰も示さなかった場合、前に示した「墓地埋葬法」の通り、故人が息を引き取った場所の市町村側で行います。

葬祭扶助と墓地埋葬法の違い

上に述べた二つは共に公のお金ですが、お金の出所と金額に違いがあります。

葬祭扶助の適用元では、自治体の方で葬儀に伴う総費用の4分の1程度を負担し、残りの4分の3程度を国が負担するのに対し、墓地埋葬法の適用元では全費用を自治体が負担します。

その為、費用の全てを捻出する必要のある墓地埋葬法の実施を自治体側が躊躇い、身寄りの無い人でも自治体が民生委員などにお願いして後者の葬祭扶助を申請してもらい、葬儀を請け負うケースもあるそうです。

生活保護葬に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

葬祭扶助は通例と離れた形

葬祭扶助 は通例の離れた形の葬儀です。

生活で困窮を踏まえ、 主に金銭面の負担が生活的に厳しい場合の自治体のサポートの一つ と言い換える事も可能です。

実際の利用には申請先等、様々な手続きを踏まえる必要があります。

最初の方に扶助の受給は生活困窮が理由であるため、生活保護が判断基準の一つとなりがちですが、あくまで 葬儀を取り仕切る側の状況 となります。

扶助を検討する際には取り仕切る側の経済状況に注意して下さい。
また、対象に関しても火葬のみ、適用される事項に関しても限定的です。

準備を依頼する会社とも折り合いをつけつつ、故人にとってふさわしい、行う側の意向が反映された形として下さい。
適宜知識を蓄えながら、わからない事や不明点はすぐに会社の方に相談を設けたり、自治体の方に事項を訪ねましょう。

みん終編集部

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