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葬儀

献杯の挨拶をする人・内容・例文!避けるべき言葉やマナーも解説

葬儀や法要の席で、献杯を頼まれたことはありませんか?
めでたい席での挨拶と、別れの席での挨拶では、マナーが違います。

よく知らないまま引き受けると、気づかぬうちにマナー違反になっているかもしれません。
そこで今回は、献杯についてまとめました。

献杯とは何か、どんな時にするものなのか、例文も紹介するので、参考にしてください。

献杯の挨拶をする人・内容・例文!避けるべき言葉やマナーも解説

献杯とは

献杯とは、大人の常識として知っておきたいマナーのひとつです。
一体どのようなものなのか、ご紹介します。

乾杯との違いについてもまとめました。

献杯とは

献杯とは、 相手に尊敬の気持ちをこめて、お酒の杯を差し出すこと を言います。
日本では儀式の際に、お酒を神様にお供えする風習がありました。

その習わしを大切にして、尊敬する相手にお酒を差し出したのがはじまりです。
葬儀や法事の席で、亡くなった人に尊敬の気持ちをこめて杯を差し出すときにも使います。

乾杯との違い

杯を差し出す行為といえば、乾杯を思い浮かべる人もいるでしょう。
このふたつは何が違うのでしょうか。

乾杯の乾とは、 一気に飲み干すこと をさします。
杯を高く上げて、音が出るように杯と杯を互いに合わせます。

めでたい席でおこなうもので、元々はヨーロッパの風習です。
献杯は杯と杯を合わせず、一気に飲み干すこともありません。

静かに故人を想う、日本ならではの風習です。

献杯の挨拶をする人

献杯の挨拶をする人は、 喪主がお通夜までに考える のが一般的です。
喪主が挨拶する場合もありますし、故人と縁がある人にお願いする場合もあります。

どの立場であっても困らないように、挨拶のポイントを確認しておきましょう。

  • 子供
  • 親族
  • 配偶者
  • 故人の友人
  • 上司
  • 部下

子供

故人の子供が献杯の挨拶をすることがあります。
喪主が親であるケースと、子供が喪主であるケースがありますが、どちらでも問題ありません。

子供ならではのエピソードや思い出 を含めるとよいでしょう。
親としての姿を参列者に伝え、故人を偲びます。

生前親がいただいたご支援に、感謝の気持ちを伝えるのもよいでしょう。

親族

故人の兄弟姉妹や叔父・叔母など、親戚が行う場合もあります。
故人の子供のころや、若いころの話 をするとよいでしょう。

配偶者

喪主である、配偶者が行うこともあります。
夫婦ならではの思い出や、亡くなる前の様子 を話してもよいでしょう。

その際、会葬のお礼も参列者に伝えます。

故人の友人

故人と親しかった友人が、挨拶することもあります。
子供のころや、学生のころの思い出話 をするとよいでしょう。

参列者に友人が多い場合は、学生のころを思い出して故人を懐かしみ、偲ぶことができます。

上司

在職中の不幸であった場合は、会社や職場の上司に頼むこともあります。
会社名と故人との関係を明確に自己紹介しましょう。

在職中の仕事ぶりや、会社での勇士を話すのもおすすめです。

部下

故人が会社や職場での立場が上であるなら、一緒に仕事をがんばってきた部下に頼むこともあります。
職場での人柄や仕事ぶり などを、故人の家族や参列者に伝えるとよいでしょう。

献杯の挨拶をするタイミング

献杯の挨拶をするタイミング についてご紹介します。

葬儀の場合

葬儀をすべて終えて火葬場からもどり、 繰り上げ法要をすませたあとの精進落としのタイミング で挨拶を行います。
遺族の代表が、参列のお礼と献杯をしてもらう人の紹介をします。

位牌にお酒をお供えし、精進落としに参加する人全員にお酒をゆきわたらせてから挨拶をしましょう。

法要の場合

法要の場合も、 お参りがすべて終わったあとの会食の席で挨拶を行います。
お参りが終わり会食の席に移動したら、位牌の前にお酒をお供えして、参列者にお酒がゆきわたるようにしましょう。

施主が、参列者への挨拶と参列のお礼をのべ、献杯挨拶をお願いする人の紹介をします。

献杯の挨拶の内容

献杯の挨拶の内容は、故人との関係によっても変わります。
ここでは、 どのような内容を話せばいいのかを見ていきましょう。

  • 自己紹介
  • 故人を偲ぶ生前のエピソード
  • 参列者への献杯唱和のお願い
  • 献杯
  • 参列者へのお礼

自己紹介

最初に自己紹介をしましょう。
喪主や施主からも紹介をうけますが、 自分でも、故人とどのような関係にあったかについてふれます。

会社関係の場合は、会社名や部署名、役職や関係を明らかにするとわかりやすいでしょう。
長くなり過ぎないように簡潔に紹介してください。

故人を偲ぶ生前のエピソード

故人との思い出話やエピソードを話します。
故人の人となりを、 自分とのエピソード も交えて参列者に話しましょう。

参列者への献杯唱和のお願い

挨拶が終わったら、 参列者に杯やグラスを持つよう 促し、献杯の唱和をお願いしましょう。

献杯

参列者全員が杯を持ったことを確認して、杯を目の高さまであげ、静かに「献杯」と言いましょう。
参列者は、音頭に続きます。

参列者へのお礼

参列者に対し、 献杯唱和へのお礼 を述べます。
ここでは、簡潔に「ありがとうございます」と伝えるだけで十分です。

献杯の挨拶の例文【葬儀】

葬儀で行なう献杯挨拶の一例 を紹介します。
故人との関係別にまとめました。

  • 子供による献杯の挨拶
  • 親族による献杯の挨拶
  • 配偶者による献杯の挨拶
  • 人の友人による献杯の挨拶
  • 上司による献杯の挨拶
  • 部下による献杯の挨拶

子供による献杯の挨拶

故人の長男です。
本日はご多忙の中、母の葬儀に参列していただき、ありがとうございます。

母は明るく家族思いで、いつも笑顔が絶えない人でした。
こうして今日みなさんに参列していただいたことを、母もよろこんでいると思います。

息子の私も、母のためにみなさんがお集まりいただいたことをうれしく思います。
毎日家族のために一生懸命だった母は、お酒を飲む機会も少なかったのですが、今日はみなさんと一緒にお酒を飲みながら、母の思い出に花を咲かせたいと思います。

お母さん、今までありがとう。
それでは、献杯をご唱和ください。

献杯。
ありがとうございました。

親族による献杯の挨拶

故人の兄でございます。
本日はご多忙の中、弟の葬儀にご参列いただき、まことにありがとうございます。

みなさんにこうしてお会いできたことを、弟もよろこんでいるでしょう。
弟とは、小さいころからよく一緒に遊びました。

大人になった今では、二人でお酒を飲むようになりました。
今日は弟の大好きなお酒を、みなさんと一緒に飲みながら、弟を偲んでいただければと思います。

これからも変わらず弟家族とのご縁をよろしくお願いいたします。
それでは献杯をご唱和ください。

献杯。
ありがとうございました。

故人の友人による献杯の挨拶

故人とは、小学生の頃から〇年来の友人です。
小学生のころから故人は、友人たちにとてもやさしく、困っている子を放っておけない性格でしたので、私もよく助けてもらいました。

大人になってもそれは変わらず、困っている人に手を差し伸べる人でした。
このような形で彼女との別れが来ることは、思いもよらずまだ信じられておりません。

きっと今もどこかで、私たちのことを見守ってくれているでしょう。
それでは、友人を偲び献杯をさせていただきますので、みなさま、ご唱和をお願いいたします。

〇〇ちゃん、どうか安らかに眠ってください。
献杯。

ありがとうございました。

上司による献杯の挨拶

ご紹介いただきました、〇〇会社の△△と申します。
突然の知らせが今も信じられず、この場に立たせていただいておております。

彼は何事にも真面目に取り組み、誰からも慕われ、私が最も信頼する部下でした。
もう彼と一緒に仕事ができないと思うと、心から残念でなりません。

ご遺族のお気持ちを察すると、いたたまれない気持ちでいっぱいです。
本日はお酒が好きだった彼のために、みなさまとお酒を飲みながら彼を偲びたいと思います。

では、献杯のご唱和をお願いいたします。
〇〇君、安らかにお眠りください。

献杯。
ありがとうございました。

部下による献杯の挨拶

ご紹介いただきました、〇〇会社、△△部で故人の部下でした、〇〇と申します。
この度は、突然の訃報に驚きを隠せずにおります。

故人は部内の社員に気配りを忘れず、部下を大事にしてくれる上司でした。
部内での信頼も厚く、頼れる自慢の上司です。

ご遺族さまのお気持ちを思うと、言葉もございません。
今後は部長の意志をわれわれが引き継ぎ、精進してまいります。

部長、どうか私たち部下を見守っていてください。
それでは故人のご冥福を祈って、献杯。

ありがとうございました。

献杯の挨拶の例文【法要】

次に、 法要のときにふさわしい献杯の挨拶 をまとめました。

  • 子供による献杯の挨拶
  • 親族による献杯の挨拶
  • 配偶者による献杯の挨拶
  • 人の友人による献杯の挨拶
  • 上司による献杯の挨拶
  • 部下による献杯の挨拶

子供による献杯の挨拶

本日はお忙しい中、父の一周忌の法要にお集まりいただき、ありがとうございます。
早いもので父が亡くなり一年が経ちますが、こうしてみなさまとお顔を合わせられましたことを、うれしく思います。

亡き父も喜んでいることでしょう。
無事に法要も済ませられましたのは、みなさまのおかげです。

本日もご一緒に父のことを偲んでいただきたく、お食事の席をご用意させていただきました。
時間のゆるすかぎり、ごゆっくりおくつろぎください。

それではご唱和ください。
献杯。

ありがとうございました。

親族による献杯の挨拶

本日は、姉の1周忌法要にお集まりくださり、ありがとうございます。
姉が旅立ち、早いもので一年が過ぎました。

みなさまにこうしてお会いできましたことを心より感謝申し上げます。
みなさまにお会いできたことを、何よりも姉が喜んでいることでしょう。

姉の家族にも変わらぬご支援をいただきありがとうございます。
無事に法要を終えられましたことを感謝するとともに、みなさまと一緒に姉を偲ばせていただければ幸いです。

それでは、ご唱和お願いいたします。
献杯。

ありがとうございました。

故人の友人による献杯の挨拶

ご紹介いただきました、故人の友人の〇〇でございます。
故人が逝去されて、もう一周忌になることに驚いております。

みなさまの元気なお姿を拝見でき、故人がなにより一番よろこんでいるのではないでしょうか。
お食事の席を用意していただいておりますので、本日もみなさまとご一緒に、時間の許す限り和やかに思い出に浸りたいと思っております。

それではご唱和お願いいたします。
献杯。

ありがとうございました。

上司による献杯の挨拶

ご紹介にあずかりました、〇〇会社の△△部の〇〇です。
故人は生前私の部下として、部内をとりまとめ若い社員の相談役として部内の調和をはかりながら、仕事をスムーズに進める頼りがいのある人物でした。

故人が逝去して一年というのが信じられないくらい、今でも故人の存在は部内でとても大きいものです。
本日は久しぶりにみなさんと故人の思い出話をしながら、ご一緒に偲ばせていただきたいと思っております。

それではみなさま、ご唱和お願いいたします。
献杯。

ありがとうございました。

部下による献杯の挨拶

ご紹介いただきました、故人の部下である〇〇でございます。
生前、故人には仕事をする上での大切なことをたくさん教えられ、育てていただきました。

私が故人の意志を引き継ぎがんばっていられるのも、生前からの故人の励ましと教えのお陰です。
故人が逝去されてから長い年月が経ちますが、変わらず私たち社員は故人の熱い思いを受け継いで、現在も日々励んでおります。

これからも新しい人材に故人の熱い思いを伝え続けていく所存です。
本日はお食事の席をよういしていただき、みなさまとご一緒に和やかに偲ばせていただきたいと思います。

それではご唱和お願いいたします。
献杯。

ありがとうございました。

献杯の挨拶で避けるべき言葉

献杯の挨拶では、 避けるべき言葉 があるため注意しましょう。
ここでは、避けた方がよい言葉や言い回しをお伝えします。

  • 忌み言葉
  • 「繰り返し」を連想させる言葉
  • 宗教上不適切な言葉
  • 4,9といった不吉な数字

忌み言葉

忌み言葉とは、不吉なことを連想させる言葉です。

  • 散る
  • 無くす
  • おしまい
  • 割れる

夫婦の別れや再婚 をイメージする言葉も避けましょう。

  • 嫌い
  • 飽きる
  • 捨てる
  • 再び

「繰り返し」を連想させる言葉

同じ単語を重ねて使う言葉は、 不幸が重なる と考えられています。
死を連想させる言葉ではなくても、繰り返しの言葉は、ふさわしくないので避けましょう。

  • 重ね重ね
  • たまたま
  • いよいよ

宗教上不適切な言葉

宗教によっても不適切な言葉 があります。
たとえば「冥福」は仏教で使う言葉です。

「ご冥福をお祈りいたします」はキリスト教様式では使いません。
キリスト教では、「天に召される」と表現します。

仏教式の葬儀法要では、「浮かばれない」「迷う」なども不適切です。
またどの宗教でも、亡くなったことを、ストレートに「死んだ」と表現するのは適切ではありません。

「ご逝去」や「永眠」などに言い換えましょう。

4,9といった不吉な数字

数字の4と9も避けましょう。
4は死を、9は苦を連想します。

日本では不吉だと考えられ、日常的に避けられることの多い数字です。

献杯の挨拶のマナー

献杯の挨拶のときに、 マナーとして気を付けたいこと をまとめました。

  • 故人を偲び敬意を込めた内容にする
  • 簡潔に述べる
  • 乾杯と同じような動作は避ける

故人を偲び敬意を込めた内容にする

献杯の挨拶は、参列者とともに故人を偲び、共感できる内容にしましょう。
参列者全員が、故人を偲び、敬意をもてる内容 でまとめるのは、献杯挨拶の大切なマナーです。

簡潔に述べる

献杯の挨拶は、簡潔に述べるようにします。
参列者も、長い葬儀法要で疲れもあるでしょう。

挨拶の内容は、 わかりやすく簡潔にまとめ、短くすませることが大切です。

乾杯と同じような動作は避ける

献杯は、 めでたい席で行う乾杯とはちがいます。
声を高らかにして音頭をとったり、杯を高くかかげることはマナー違反です。

杯は目線の高さにとどめ、音頭も声を静かに唱和します。
杯同士を打ち合わせることもしません。

お酒は飲み干さず、ひと口含んだら杯をそっと置きましょう。

お斎終了時の挨拶の例文

喪主や施主が、 お齋終了を知らせる挨拶 の例文を紹介します。

本日は、故人のためにお集まりくださいまして、ありがとうございました。
名残おしいですが、みなさまおつかれでもあると思いますので、お開きさせていただきたく存じます。

残された家族一同、みなさまからいただいたご支援励ましを胸に、今日まで歩んで来られました。
これもみなさまのおかげだと、心より感謝いたしております。

今後とも変わらぬお付き合いをしていただけるよう、あらためてお願い申し上げるとともに、本日のお礼に代えさせていただきます。
ありがとうございました。

献杯の挨拶はマナーを守って簡潔に

献杯は、葬儀や法要後の会食がはじまる前に行います。
献杯を頼まれた場合は、紹介した例文を参考に挨拶を行いましょう。

くれぐれも、 乾杯マナーと混同しないように 注意してください。
マナーを守り、遺族やほかの参列者に不快な思いをさせないような挨拶を心掛けましょう。