みんなの終活 | 今知りたいライフエンディングのこと
葬儀

ドライブスルー葬儀とは?流れや費用相場、メリット・デメリット

ドライブスルー葬儀場という存在をご存じでしょうか。
長野で2017年に実施された、「誰でも気軽に」参列できるというコンセプトを持つ葬儀形態です。

移り変わる時代の中、葬儀業界も同様に変化しています。
賛否両論があるこの制度ですが、今回はそのメリットやデメリットから海外においての位置づけまで解説します。

ドライブスルー葬儀とは?流れや費用相場、メリット・デメリット

ドライブスルー葬儀とは

ドライブスルー葬儀とは何か

「ドライブスルー葬儀」 とはその名の通り、 車に乗ったままの状態で葬儀に参列し、お焼香、お香典を渡すもの です。

長野県上田市の株式会社「レクスト・アイ」が2017年に実施した、 「ドライブスルーのように素早く、気軽に参列できる」 葬儀場です。

車の中で葬儀を済ますことができる、従来のやり方からはあり得ない、全く新しい形の葬儀です。

ドライブスルー葬儀が生まれた理由

ドライブスルー葬儀が始まった理由として、高齢人口の増加に伴い、葬儀場に足を運べることが困難になりつつあるお年寄りが急激に増加していることがあります。

もう一つの理由としては、高齢化によって亡くなる方の人口も増えつつあることが挙げられます。

現代においては、葬儀に行くことで人間関係を見直すといった文化も薄くなった影響で、足腰の不自由な高齢者はもちろん、 若者の参列者も減ってしまっている というのが現状です。

葬儀自体は増えることが予想されるが、参列する人が年々少なくなってしまうという皮肉的な状況を打破しようとしたために生まれたのが 「ドライブスルー葬儀」 というわけです。

ドライブスルー葬儀の流れ

葬儀

葬儀受付には車で

ドライブスルー葬儀の流れは一般に ドライブスルーで買い物をする要領とほとんど変わりないです。

受付に車で入場し、そこで記帳、焼香、香典を渡して参列します。

会社によると、一連の受付からご焼香までの時間は 3分 で終わるとされ、まさに ドライブスルーのような短時間 で済ませることが約束されます。

記帳や焼香は電子機器で

ドライブスルー葬儀場では、自身の情報を記入する際に タブレット を渡されます。

タブレットが利用できない高齢者に向けて、紙での記帳を選ぶこともできます。

帳簿が終わった後は受付にタブレットと共に、香典を渡すことになります。

焼香ですが、こちらは ボタン式 を利用しており、押すことで葬儀場内のランプが点灯するという仕組みになっています。

これらの一連の流れはモニターを通して確認することができ、遺族ともモニター越しに顔を合わせることが可能です。

ドライブスルー葬儀のメリット

秋空

「誰でも」葬儀に参列することができる

誰でも気軽にその場へ赴き、供養することができる ことが1つ目のメリットです。

現代の観点から、「ドライブスルー」と聞くとやはり 時間の短縮 という印象を受けてしまいます。

しかし、日本で初めてドライブスルー葬儀場を実施した萩原社長は

「葬儀を簡略化したいわけではなく、焼香に来たくても来れない人を動因するのが狙い」 と答えています。

病院で同じ部屋の人が亡くなった場合を想像してみてください。

どうしても行きたいが介助してもらわないと行けない、車椅子で行くのも厳しいという状況下で、車の中ですべてを解決することができる選択肢があればどうでしょうか。

車外に出ることが難しく、もどかしい思いをしていた方へ葬儀に参列できる可能性を与えたことは素晴らしく、メリットだと言えるでしょう。

また、子供がまだ小さく大変な母親においても、車に乗った状態でご焼香できるというのは非常に便利でしょう。

このように立場を変えてみれば、 必要としている人が多くいる ことが理解できるかと思います。

葬儀の規模・費用を抑える

ドライブスルーで葬儀に参列する人の分は席が減らせるため、 斎場を小型のものにすることが可能 です。

また、ドライブスルーで参列した方にはご飯を振る舞う必要もないので、 費用を削減することも可能 です。

葬儀の時間を気にせず自由に

一般的な葬儀の場合はタイムスケジュールが細かく設定されており、決まった時間に行く必要があります。

ですが、ドライブスルー葬儀の場合、 葬儀が開かれている間はいつ行っても問題ない 点がメリットとして挙げられます。

高齢者や体の不自由な方、日々の業務に追われて忙しい人にとっても気軽に参加することが可能となったのです。

1つ目の理由と同じように、 葬儀に参加する敷居を大きく下げたこと によって、 より多くの人間を呼ぶことができるような土台を作った とも言えます。

また、敷居を下げたという点では、 喪服を着ることなく 葬儀に参加することもできるようになり、若年層の価値観を変えることにも繋がったと言えます。

ドライブスルー葬儀のデメリット

樹木

故人に対して失礼かもしれない

第一にドライブスルー葬儀という文字を見て、 「不謹慎だ」 と思われた方も多くいるでしょう。

アイデア自体は利用できない層に着眼点を置いたものだと評価を得ていますが、実際にはその「手軽さ」から多くの批判も浴びているのが現状です。

遺族側からしたら、そのようなやり方で参列されて納得できるかと言われると首を縦に振る人も少ないでしょう。

また、 葬儀は故人を偲び、思いにふけるためだけの場所ではありません。

遺族の方と直接顔を合わせ、思い出話や故人の死に対する悲しみを共に受け入れる場所という役割もあります。

そのような中で、ものの3分で参列を済ますのはいかがなものでしょうか。

道路の渋滞

実際のドライブスルーを使われた方なら容易に理解することができると思いますが、利用者が集中した場合に 渋滞が予測されます。

ドライブスルー葬儀は1回の参列を3分で行うことができるというのがポイントですが、わざわざ車で来て焼香だけをして帰る訳にはいかないと思います。

モニター越しで遺族と挨拶をすることもありますし、普通の葬儀と同じく時間をかけて故人を偲ぶこともあるでしょう。

自分が渋滞を起こす原因になっているかもしれないという心理状態の中で、故人を偲ぶようなことは到底できませんし、一つ目のデメリットにも繋がっていきます。

なんらかの渋滞解消の手立てがない限りは、 現状では普及させるに難しい事業 だと言えるのかもしれません。

海外におけるドライブスルー葬儀

海

米国のドライブスルー葬儀

日本よりも先に、カリフォルニア州のロサンゼルス近郊にある コンプトン でドライブスルー葬儀が実施されました。

日本とは違い、 棺に入った遺体を遺影、花などと一緒にガラス張りのショーウィンドーの中に展示し、弔問客が車から降りずに故人と対面できる というシステムです。

車社会であるアメリカにおいても最初こそは賛否両論となりました。

しかし、日数が経つと 「多くの人から愛された人物に供養、別れを告げる機会を手軽に得ることができる」 とし、 現地で好評を得ることに成功 しました。

ショーウインドーに入れる以外にももちろん、従来の方法で葬儀することも可能だという点で、遺族から「故人に対する敬意が欠けている」などという反対意見はほとんど出なかったそうです。

また、ショーウインドーのような目立つ位置に安置しておくことで、亡くなったということを知らせる役目も持ちます。

実際にドライブスルー葬儀場を訪れ、ショーウインドーを見て初めてその人の死を認知したというケースも多く確認されています。

南カリフォルニア州にドライブスルー葬儀場を作ったPeggy氏は

「葬儀といえば慎ましく、悲しく暗いイメージを持つものであり、葬儀場で使われる色も寒色寄りのものばかりですが、それらは近年変わりつつあります。

生前で楽しく、人を巻き込んで幸せにしたような人を送り出すには、そのような寂しいイメージはふさわしくなく、明るく華やかに送り出すことも必要だと思うのです。」 と述べています。

アメリカでは葬儀場以外でも、霊きゅう車や棺の色も白や金色などの明るい色で彩られているものが増えているそうです。

シカゴ州やルイジアナ州でも ドライブスルー葬儀場 の存在が確認されており、広く普及されることはないかもしれませんが、一定の需要に応えつつ人気を博していくかもしれません。

変わりゆく時代を象徴する「ドライブスルー葬儀」

  • ドライブスルー葬儀とは何か |
  • ドライブスルー葬儀が生まれた理由 |
  • 葬儀の流れはどのようなものか |
  • メリット、デメリットは何なのか |
  • 海外でのドライブスルー葬儀はどう扱われているのか |

今回の記事ではドライブスルー葬儀に関するこれらの事項を解説しました。

文字のインパクトも非常に強く、どうしても受け入れられないという方が大勢いることは無理もないでしょう。

短時間で葬儀を済ますことだけに着目してしまうとどうしても、故人を偲ぶという点でお粗末な形に見えてしまいます。

ですが、今一度 視野を広げて考えてみてください。

ドライブスルー葬儀を本当に必要としている人や、葬儀に敷居の高さを感じている人もまた大勢いるのです。

様々な制度や文化が変わりつつある時代、葬儀の形が変わってもなんらおかしくありません。

どのような形であれご先祖様に対して、尊敬の念を形や姿勢で表せることが大切なのです。

みん終編集部

みん終編集部です! みんなの終活ドットコムでは、終活・ライフエンディング、葬儀のマナーやお墓選びなど、終活の知りたいに答えます!

minnshu.com
みん終編集部