神棚の移動の流れや運び方を解説!祝詞や氏神様が変わる場合も紹介
神棚は家庭にある小さな神社とも言う事が可能であり、私たちにとっても身近な存在です。
では、引っ越し等で神棚の移動を行う際、実際にどのような事に気づけばよいのでしょうか?
この記事では神棚の移動や運び方、お札の扱いや注意点についても解説を行ってきます。
また、処分を行う際の方法に関して説明を述べます。
特に運び方に関しては注意点が多岐に渡るので注意して行うようにして下さい。
この記事の結論
神棚の移動は、まず神様に移動する旨を伝えて綺麗に拭き、お札を取り出してから行います。設置が済んだらお札を納めます。
お札を納めたら神主に祝詞を唱えてもらいます。相場は5千〜1万円です。
神棚の移動の流れ
引っ越し等で土地を離れるに伴って神棚の移動を行う際、実際の主な流れは以下の表の通りになります。
順 | 内容 |
---|---|
① | 移動の旨を神様へ報告 |
② | 雑巾で拭く |
③ | お札を取り出し |
④ | 梱包作業 |
⑤ | 神棚の設置 |
⑥ | お札を納める |
以降でそれぞれの手順に関し行う事項の解説を行ってきます。
移動の流れ【移動の旨を神様へ報告】
引っ越しに伴い神棚の移動を行う場合、基本的に地元の神社にお参りを行います。
その際に土地を離れる旨を神様へ報告して下さい。
また、神棚も移動の際にあたっては事前に祈祷を行う事があります。
祈祷を依頼する際は、神社の方にお願いをし自宅の方に神主さんを呼んで下さい。
移動の流れ【雑巾で拭く】
報告が終えたら神棚の荷造り作業に移ります。
なお、引っ越し作業の荷造りの中でも 神棚の荷造りは最後に行って下さい。
埃をはらうためにも白い綺麗な雑巾で乾拭きを軽く行って下さい。
神棚の掃除に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
移動の流れ【お札の取り出し】
息を吹きかけないよう、マスクの着用か和紙を加えて行って下さい。
また、直接触れる事は避け、和紙で包みながら触れましょう。
取り出した後も箱での保存は厳禁です。
上に物を載せる事、そして放置する事の無いよう、取り出したらすぐに白い布か和紙で包んで保管して下さい。
移動の流れ【梱包作業】
梱包にあたり、床に神棚を直に置いてはいけません。
必ず布をしいた上で神棚を載せて作業を行って下さい。
移動の流れ【神棚の設置】
新居に入れる際は最初に神棚を運んで下さい。
設置に関しても同様、他の家具よりも先に行いましょう。
なるべく直接触れる事は避け、和紙を介して運びます。
東向きか南向きに設置をしましょう。
移動の流れ【お札を納める】
設置を終えた後、お札を入れます。
基本は引っ越し先の土地の氏神に準じた物を入れて下さい。
業者へ早めの連絡を
神棚を自身の手で運ぶ事も可能ですが、業者への委託の形で運び込むことも可能です。
引っ越し業者の他に、神棚を買い求めた店舗にも依頼が可能です。
移動中の神棚の運び方
神棚を自身の手で運ぶ場合、基本的に段ボールに梱包した形で運び出します。
手提げは衝撃で破損の恐れがあるので使用してはいけません。
また、横に寝かせた形でなく立てた形で運びましょう。
軽くぶつけた程度の衝撃で壊れるのを避けるために、中に清潔な白いタオルなどを丸めて入れる事もおすすめです。
神棚の移動後の祝詞
設置を終え、中にお札を入れた後は祝詞を唱えます。
自身で行う事も可能ですが、神主の方を呼ぶのが正式な形です。
金額
実際に神社の方へ祝詞をお願いする際は5000円~10000円程を用意します。
地域ごとで用意する金額の幅は変動するので、適宜地元の方に聞くようにして下さい。
内容
実際に唱える際の文言としては以下の二つが主です。
- 天津祝詞
- 神棚拝詞
双方、神に対しての感謝を意味する言葉です。
神棚を移動後、氏神様が変わる場合
氏神とされる神社は神棚が置かれた家の地域に最も近い神社の物を選びます。
そのため、引っ越し等で元の土地から遠く離れた際はお札も新たに取り換えます。
可能ならば、新居に移る前に引っ越し先の土地の神社にお参りをし、お札を受け取って下さい。
必要なお札は以下の三つです。
- 天照大御神に基づく物
- 氏神に関する物
- 会社など、独自の神社の物
天照大御神の物を中心に、氏神に関する物は右に置くのが通例です。
移動前の今までのお札
元の神社の方に返納を行うか、お焚き上げを行い処分をして下さい。
神棚を処分する時
新しく場所を移るに辺り、神棚を処分する事も多くあります。
元の神棚が古くなり、汚れや傷みが目立つ際は取り換える方が適切です。
神道では神にまつわる場所は清浄な区域である事を重視します。
ゆえに取り換えに伴う処分もためらう事はありません。
処分の方法は以下の二つです。
- ごみとして廃棄
- お焚き上げ
ごみとして廃棄
祈祷を行った後に自身で通常の粗大ゴミとして出す事が可能です。
神棚を神社へ持って行き、祈祷を行います。
費用に関しては数千円から数万円と幅がある ので、祈祷を行う予定の神社の方に問い合わせをして下さい。
基本的には、神棚自体の大きさや立ち合いの有無、規模の程度で金額が変動します。
なお、神棚の処分を禁じている自治体もあるので事前に確認を取ってからゴミとして出しましょう。
お焚き上げ
お焚き上げを必ず行うのはお札です。
基本は神社に設置された古札納め所に置きます。
また、神棚に関してもお焚き上げを行う事があります。
その際は必ず神主の方に依頼を行いましょう。
なお、神棚のお焚き上げ自体を禁じている神社もあるので、可能かどうかは神社の方に確認を取って下さい。
お焚き上げに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
神棚の移動時の注意点
実際に移動をするにあたり注意すべき点は以下が挙げられます。
- 自分でお札は運ぶ
- 追加料金が生じる事も
- 出すのは最後、入れるのは最初に
- 上の部分には人が通らない
以降で移動に関しての詳細な説明を行ってきます。
お札
神棚に関しては業者の委託も可能ですが、お札に関しては必ず自身の手で運ぶようにして下さい。
お札は御神体その物であり、神聖な物です。
粗末に扱うことなく、白い布か和紙に包んだ上で、自身の手で運びましょう。
追加料金
業者の方に依頼する際、神棚の運び込みに関しては通常の引っ越し料金に加えて追加料金が発生する事が多いです。
事前にオプション的な扱いになるのか、それとも引っ越し費用の中に組み込んだ形になるのかに関しては確認を取りましょう。
順序
神棚は運び出しや運び込みに順序が定められています。
具体的には以下の通りです。
- 家から運び出す時は最後に
- 家に運び入れる時は最初に
神棚の配置
運び入れや移動だけでなく、実際に組み立てる際にも注意が必要です。
前にも述べましたが、神棚は基本南向きか東向きに飾ります。
また、新しい家に神棚を置く際は元の家と同じ置き方が望ましいです。
元の家の片づけを行う前に、事前に神棚がある部屋を撮影しておきます。
写真を参考になるべく元の環境に近い形で配置を行いましょう。
上部に人が通らない位置に
マンションの一室とかでは難しいですが、二回建て構造の一軒家等では、神棚の上層部分に人通りがない所に置いて下さい。
息を吹きかけない
特にお札の取り出しに関して、穢れの意味合い上息を吹きかける行為は禁じられてます。
始めの項目でも述べましたが、マスクの着用や和紙を口に加える等の対処を必ず行って下さい。
なるべく和紙を介して触れる
神棚に直接触れるのは避けたい事態です。
基本は和紙などを介して作業を行って下さい。
前に述べた内容の繰り返しになりますが、 床に神棚を直接置いてはいけません。
必ず布を敷いた上で神棚を置くようにして下さい。
丁寧な神棚の移動を
この記事では神棚を実際に移動するにあたっての注意事項を述べてきました。
神棚自体の運び方だけでなく、お札の扱いに関しても注意が必要です。
主な要点としては以下の通りです。
- 神棚を新たに設置する際は祝詞を唱える
- 移動する前に事前に元の氏神神社へ報告する
- 軽く乾拭きをした後にお札を取り出す
- 梱包作業等なので床に直に置く事は避ける
- お札は必ず自らの手で持って行く
- 移動に伴い追加料金がかかる事も
上の要点が多数あるように、神棚の移動にあたっては、様々な事を考慮する必要があります。
また、移動後に配置を行う際にも向きや元の場所と同じ置き方にするなど、注意が必要です。
神棚は家の中にある小さな神社だと言う事ができます。
引っ越し等で忙しい際に、神棚という小さな物で様々な事を考慮しなければならず、頭が回らない事もあります。
しかし、神棚は家の中でも特に神聖な場所の一つです。
決して移動の際に手荒に扱う事のないよう、丁寧な扱いを心がけて下さい。
❓ 神棚はどのように移動させる?
立てた形で段ボールに梱包して運びます。清潔な白いタオルなどで包み、ぶつけた際の衝撃を緩和できるようにします。詳しくはこちらをご覧ください。
❓ 神棚の移動後に行うことは?
神社の方にお願いし、祝詞を唱えてもらいます。相場は5000円から1万円です。詳しくはこちらをご覧ください。
❓ 移動により神棚の氏神様が変わる場合の対応は?
引っ越しをする前に引っ越し先の神社にお参りをしてお札を受け取ります。また、前の御札は元の神社に返納したりお焚き上げでの処分を行います。詳しくはこちらをご覧ください。
❓ 神棚の移動によるお焚き上げの相場は?
相場はお寺や神社では3000円から1万円です。また、業者では1DK整理する場合8万円ほどかかります。詳しくはこちらをご覧ください。
みん終編集部です! みんなの終活ドットコムでは、終活・ライフエンディング、葬儀のマナーやお墓選びなど、終活の知りたいに答えます!
